第9回 能代宇宙イベント

2013-01-010
文責:大﨑大

第9回能代宇宙イベントが,2013年8月19日から25日にかけて行われました. 今年度は,昨年度に引き続いて海打会場も設営し,準備から片付け作業も含めると約10日間と過去最長の期間の運営を行いました. また,今年度は例年に比べ天候に恵まれず,雨に打たれる機会が非常に多くなってしまったイベントでした.

1.全体スケジュール

今年度は,海打ち実験の期間をイベント期間中の始めに設定し,海打ちが終了した後に,Cansat競技,陸打ちを実施いたしました.

日程 内容
8月19日(月)
~21日(水)
ハイブリッドロケット海打ち
8月22日(木) 会場準備
8月23日(金) UNISEC競技初日(缶サット競技、ハイブリッド陸打ち上げ)
8月24日(土) 開会式 / UNISEC競技2日目(缶サット競技・ハイブリッド陸打上) / ロケット甲子園
8月25日(日) 一般公開日 展示会 / デモフライト / デモ走行 / デモ陸打上 / 大型モデルロケット公開打上 / 水ロケット大会 / モデルロケット体験打上 / 秋田県中学生モデルロケット大会

2.会場準備

会場準備は,イベント開始の2日前である17日より実施いたしました. 海打ち会場・イベント会場共に,何もない更地状態ではありましたが,秋田大学より運搬した数々の物品に一区間埋め尽くされました. 本来であれば,イベント会場は元々草木が背丈まで生い茂っていてぬかるんだ土地なのですが,地元の方々・業者の方々のご協力により,我々が競技を行いやすい環境に整備していただけました. 17日の準備は,主に海打ち会場の準備であったため,一度イベント会場に運び,必要な物品のみを海打ち会場へ運び設営をしました. イベント会場の設営日であった22日は,ハイブリッドロケットの陸打ち団体・Cansat競技団体も集まっていただけたため,比較的スムーズに準備を行うことが出来ました. 皆さん,本当にお疲れ様でした.

会場準備

3.ロケット打ち上げ(海打ち)

19日から21日は,落合浜にて,海打ちを実施しました. しかしながら,雷や豪雨など生憎の天候のため,打ち上げ予定をずらし,20日に東海大学が,21日に秋田大学と筑波大学,計3団体が打ち上げ実験を行いました. 海打ちが終了した後には,海上からの回収のため,漁船を出していただいた漁師さんとの懇親会も行い,能代宇宙イベントの序章でもある海打ちは無事に終了しました. また,自ら使用する打ち上げ会場の清掃活動も行いました.

ロケット打ち上げ(海打ち)

4.ロケット打上げ(陸打ち)

会場準備が終了した翌日からは,ハイブリッドロケットの陸打ちが行われました. 陸打ちについても,天候に恵まれない状況ではありましたが,23日から25日の3日間で,東京科学大学,東北大学,CORE,和歌山大学,東海大学,筑波大学の計6団体(うち東京科学大学が2機)7機のハイブリッドロケットが打ちあがりました. また,本年度より三菱重工業株式会社様にご協力いただき,事前提出書類や現地のオペレーション,ミッションコンセプト等について評価を行っていただき,筑波大学が「MHIアワード賞」を受賞しました.

ロケット打上げ(陸打ち)

また、モデルロケットの打上げにも学生団体が参加しました。 ロケット甲子園も含め、たくさんのロケットが打ち上がりました。 17日にはモデルロケットでCLTP3の参加者によるCanSatの打上げも行われ、全てのCanSatが無事に放出されています。

5.CanSat競技

Cansat競技は,会場準備の翌日である23日より2日間に渡って実施されました. 2日目に関しては,風向風速の影響もありバルーンの放球ポイントを変更してでの競技となりました. コンペティションの結果は,24日の大懇親会の場で「フライバック」・「ローバー」の1~3位までの参加チームが表彰されました.

CanSat競技

6.開会式,懇親会

24日の朝には開会式を,夜には懇親会が行われました. 錚々たる来賓の方々にお越しいただき,それぞれ学生への激励の言葉や労を労う言葉,今後の能代宇宙イベントについてのお言葉をかけていただきました.

開会式、懇親会

7.一般公開日

25日には能代宇宙イベントのメインイベントである,一般公開日が行われました. 本年度も専門の司会の方に来ていただき,実況中継をしていただきました. 同時に,和歌山大学の秋山先生もこの実況の携わっていただきました. 秋山先生,有難う御座いました. 小学生や中学生の地域住民を読んでのモデルロケットの打ち上げを行うほか,学生の間では,Tシャツコンテストが行われました. 今年は,UNISAS-Rocket-Teamからの参加もあり,盛大に盛り上がりました. しかし,午後に入ってからは,突然の豪雨に見舞われ一般公開日で予定をしていたほとんどのイベントが中止,一般の方々も足を運んでいただける機会はあまりなく終わりは少し寂しい1日となりました. 今年で6回目の参加となる自分も,このような経験は初めてでした.

一般公開日

8.技術交流会

日にちの順序は変わってしまいますが,22日の夜に能代宇宙イベントに参加する団体を集め,技術交流会を行いました. 普段はロケット団体・Cansat団体のそれぞれ内々での交流はあるものの,両団体を交えた交流会の機会は非常に少ないので,情報共有など皆さん非常に有意義な時間を過ごせていただけたかと思います. また,交流会中にはラジオ番組の取材もあり,皆さん緊張した姿でラジオの取材を受けておりました.

技術交流会

9.最後に

開催されてから,9年目である能代宇宙イベントが今年も終了しました. これまでこのイベントが継続して行われてきたのは,事務局長を務めてくださっている秋田大学の和田先生を始め,能代市地域住民のご協力,運営補助をしてくださっている秋田大学の関係者のおかげだと思っております. この場を持ちまして,多大なるご協力に心より感謝の意を述べさせていただきます. 有難う御座いました.
能代宇宙イベントは,能代市の地域住民のご協力もありますが,参加者である学生で作っていくイベントでもあります. 今回,この第9回能代宇宙イベントに参加されました皆様,イベントの準備から片付け作業までご協力いただきまして,有難う御座いました. これからも,能代宇宙イベントは学生が自ら動き自分達で作っていくイベントということを忘れないで下さい. 特に来年は,能代宇宙イベントが開催されてから節目である10年目を迎えます. 秋田県からの注目も高く,今まで以上に盛大ななることが予想されます. 運営に関して,少し大変になるかとは思いますが,何より皆さん楽しんでください. そして,学生を卒業した後でも,OB・OGとして参加・ご協力や後輩への呼びかけを行うことで,このイベントが一層盛り上げられるキッカケになるのではないかと思います. 自分は,今回の能代宇宙イベントが学生最後のイベントとなりますが,また,同じ顔のメンバーでお会いしたいです.
今回直接顔を合わせることが出来た方もそうでなかった方も,来年能代の更地でお会いしましょう!!

集合写真

CanSat競技結果
大学/チーム名 競技 1日目 2日目 順位
距離 制御履歴 距離 制御履歴
1 モンゴル1 非カムバック
2 モンゴル2 非カムバック
3 東京科学大学Nmos 非カムバック
4 首都大学 非カムバック
5 創価大学 非カムバック
6 東京科学大学/Titanic 非カムバック
7 筑波大学 フライバック 不参加 NA 30.1 ×
8 東京大学/IKATOZ フライバック 不参加 NA 21.7 2(2日目)
9 東京都市大学 フライバック 不参加 NA 28.9 3(2日目)
10 九州工業大学/KINGS フライバック 57.1 33.5 4(2日目)
11 工学院大学 フライバック 25.6 × 19.7 1(2日目)
12 北海道大学 フライバック 18.2 × 26.5 ×
13 電気通信大学/ロボメカ工房(現役) フライバック 27.8 × 18.9 ×
14 電気通信大学/ロボメカ工房(OB) フライバック 16.7 × 24.3 ×
15 東北大学 フライバック 37 × 35.1 5(2日目)
16 慶應義塾大学/Wolve’Z ローバー 25.2 38.4 × 3(1日目)
17 九州大学/PLANET-Q ローバー 23.1 23.4 × 2(1日目)
18 東京電機大学 ローバー 不参加 NA 55.8 ×
19 九州工業大学/KITCAT ローバー 30.7 26.2 4(2日目)
20 鳥取大学 ローバー 25.6 × 18.1 ×
21 会津大学 ローバー 43.7 × 59.1 ×
22 東京理科大学 ローバー 10.7 60.4 6(2日目)
23 芝浦工業大学/Dreamers ローバー 不参加 NA 26.1 ×
24 新居浜高等専門学校 ローバー 27.2 × 22.8 ×
25 芝浦工業大学/Cu-can ローバー 20.2 40.9 1(1日目)
26 芝浦工業大学/Hopper’s ローバー 不参加 NA 15 ×
27 芝浦工業大学/コメット ローバー 37 18.7 × 5(1日目)

1日目は絡まって動けず。よって記録にはせず。

ロケット団体報告書
団体名 レポートファイル
CORE PDFファイル
東北大学FROM THE EARTH PDFファイル
筑波大学宇宙技術プロジェクト PDFファイル
東海大学チャレンジセンター学生ロケットプロジェクト PDFファイル
和歌山大学宇宙開発プロジェクト PDFファイル
秋田大学学生宇宙プロジェクト PDFファイル

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