2009年度 学生代表

kobayashi yuta

小林 雄太 さん

所属:慶應義塾大学大学院 理工学研究科 開放環境科学専攻
空間環境デザイン工学専修 高橋研究室 修士2年

1.学生理事を希望する理由

CanSat,CubuSat,学生ロケット,相乗り衛星,UNITEC-1など,現在進行中のプロジェクトを含め,UNISECは輝かしい実績を残しており,これらは,これまでの諸先輩方やそれを支えてくださった先生方の努力の証であります.
近年,各大学が行うプロジェクトの多様化や複雑化もあり,それぞれが独自のプロジェクトを進め,UNISECの横のつながりという強みを生かしきれていない部分があるのではないかと感じます.UNITEC-1などの,大学間連携ミッションも生まれていますが,先生方に引っ張って頂いているといった印象が強く,学生主体の横のつながりは弱くなってしまっています.こうしたこともあり,先生方やOB・OGの方々からは,最近は情熱を持った学生が減ってしまったと思われています.さらには,一般的に,昨今の若い世代は上昇志向が無いとまで言われてしまっています.私はこのような状況を恥ずかしいと思うと共に,声を大にして言いたいことがあります.UNISECには熱い気持ちを持った学生が山ほどいます.これは私がこれまでに多くのプロジェクトや学生活動を通して感じていることです.
しかし,研究室のOBであり,学生理事を務められた成田氏が当時の決意表明にて述べられたように,UNISECとして交流を継続していくためには,プロジェクトとは違った熱意が必要であり,そうした熱意を持った学生は減ってきてしまっているのではないかと感じています.だからこそ,この学生理事への立候補は私にとって挑戦であると言えます.熱意ある学生はいるということ,UNISECにおいてしっかりと後輩は育っているのだということを先生方,OB・OGの方々へ示したいと思っています.これは,宇宙開発にとても近いところで活動をする私たち学生が,ただ利己的に自分たちのプロジェクトを推進するだけで本当に良いのだろうかという疑問が生じたことに起因します.
私は,宇宙開発に微力ながらでも貢献したいと強く思っている人間です.自分たちの研究に従事し,工学や理学の分野で宇宙開発に貢献することももちろん大切であると思います.しかし,宇宙開発の裾野の拡大のために,私たちのように宇宙への憧れを抱き,その第一歩を踏み出して活動を行う学生をこれからも増やしていけるように,中高生などに多くの影響を与えることもとても大切であると考えます.その他にも,宇宙開発によってもたらされる地球上の豊かさや便利さなどを,一般の方々に理解してもらい,宇宙をより多くの人々に身近に感じてもらい,共有してもらうために,学生に出来ることはたくさんあるのではないかと感じています.そして,こうした活動は一個人,一大学で行うことはとても困難であり,UNISECという強靭なネットワークを使って初めて実現されるのではないかと思います.全国の仲間と共に,UNISEC学生理事として,UNISECの活動を通して宇宙開発への貢献に尽力したいと考えております.

2.学生理事になって実現したいこと

・質の高いイベント運営
先に述べたように,UNISECの活動を通して宇宙開発に貢献するためにも,一つ一つのイベントの質を高めたいと考えています.その中でも特に,競技会の質を高めたいと考えており,今年から学生主体での運営がスタートし,私自身も運営代表を務めるCanSatコンペにおいて,これまでの伝統を維持しつつも,新たなルールを導入し,各大学の独自ミッションを評価可能な環境を整えることで,カムバック以外の技術に関してもより切磋琢磨し合えるような体制を作っていきたいと思っています.

・情熱を持った学生の育成
数年間で入れ替わりが起きる学生団体において,熱意ある学生を輩出し続けることは困難であると共に,とても重要なことであります.UNISECが今後ますます発展していくためにも,次の世代を担う情熱を持った学生の育成に取り組みたいと考えています.そのためには,先頭に立つ人間が本気になること,魅力ある活動を継続的に行うこと,しっかりとアピールできる場を設けることが大切ではないかと思っています.具体的には,カンサットコンペ後の技術交流会やUNISEC総会,ワークショップなどに高校生を招待するといったことを行うことで,次世代を担う人々に良い影響を与えられるのではないかと考えています.

・学生間の連携強化(国際的な)
同世代で宇宙を夢見て,活動を行っている学生は,日本国内はもちろん,世界各国に無数にいると思います.UNISECにおける横のつながりを強化することや,学生としてUNISECへ貢献するといったことに対する意見交換などを行うためには,直接会って,熱く語り合う機会を増やすということが一番効果的ではないかと思っていますので,まずは日本国内での各団体との交流機会を積極的に設け,可能であればIACなどにUNISEC所属学生として参加し,各国から派遣される学生との交流を図り,新たなつながりを作っていくといった機会を設けられればと思っています.

・技術の共有やデータベース化の推進
UNISEC所属団体が達成してきた成果をフィードバックし,新規参入者に対するハードルを下げるといった活動はこれまでも行われてきていると思いますが,こうした活動を継続し,学生が主体となって推進する中で,宇宙開発の裾野の拡大という部分に少しでも貢献できればと考えています.

3.自己アピール

私の強みは,自分に厳しく,常に向上心・情熱を持って最後まで努力し続けられることです.また,全国のUNISEC所属団体に多くの友人がいることも強みであると思っています.
これまで,慶應大においてプロマネ,学生代表を務めてきた中で,東京科学大学松永研究室との親密な交流,東海大とのロケットとカンサットのコラボ,日大・東京科学大学との共同実験,他団体と共同での水ロケ教室,能代宇宙イベントでのアルバイトなど,多くの交流機会をUNISECの活動を通して経験してきました.この他にも,スペーススクールやJAXA派遣生としてのIACへの参加,宇科連での発表など,宇宙開発を夢見る一学生として,本当に多くの機会に恵まれてきたと思っています.
こうした経験によって得られたUNISEC所属学生や先生方との貴重な繋がりを何よりも大切にしたいと思うと共に,全国各地の情熱を持った仲間と協力し合って,近年学生の元気がなくなったと思われがちなUNISECを創設当初のメンバーの熱い思い以上に暑苦しい団体へと飛躍させていきたいと思っています.そして何より,未熟な私を学生理事へと推薦してくださった多くの先生方の期待に応えられるよう全力を尽くしていきたいと思っています.
今年はOBCコンペへの参加や,ARLISS代表者としての運営に加えて,ワークショップも慶應でやることが予定されていますが,私は自分自身の研究活動も決して疎かにしたくないといった思いから,ISTS,AIAAでの発表も行うため,少し忙しくなることが予想されますが,14年間のサッカー経験によって培われた体力とメンタルには自信を持っていますので,やりきってみせます.
kobayashi yuta
最後に,私が一番尊敬する松岡修造氏の言葉を掲載します.

「本気になれば自分が変わる!
本気になれば全てが変わる!
本気になれば心から人生が楽しくなる!」

学生理事として本気になるつもりです.


nagamine kenta

永峰 健太 さん

所属:九州大学 宇宙機ダイナミクス研究室
修士2年

1.学生理事を希望する理由

私は去年,宇宙工学分野について予備知識なしの状態で現在の大学院に入り,研究室での活動を通してUNISECという団体を知り,そして一年が過ぎました.
他大学での宇宙工学とは無縁な学部生活のなかでも,日本にはアメリカでアマチュアロケットの打ち上げを行っている学生や,独自に衛星を開発し実際に打ち上げまでのことをやっている学生がいる,という噂は知っていました.漠然と,そういうことをやれたらいいなと考えていました.

大学院に入り,それがUNISECによって派生していることだと知り,UNISECの一員として実際に自身がアメリカへ行き,自作した空き缶衛星をアマチュアロケットで打ち上げるという経験をすることができました.そしてそのなかで出会った同世代の仲間と,UNISECでの様々なイベントやプロジェクトを通して再会し,それぞれの熱さから力を貰ってまたがんばる.そんな一年でした.

将来,日本の宇宙開発を牽引していくであろう学生は必ずUNISECに関わっている,そこまでの規模にこの団体は来ています.自身の就職活動のなかでお会いした,実際に宇宙開発の最前線にいる先輩方もそうでした.

今の私は特に何の能力もない未熟な学生ですが,いずれ宇宙開発を引っ張る無名の技術者の一人になりたいと強く思っています.近い将来宇宙開発分野で働いていくうえでかけがえのない思い出・経験の発端としてあったUNISECに対し,卒業までに何か一役買いたい,そしてできるならこれからも続いて行く宇宙を志す学生達が繋がりを広げるための何かを残したい,また学生生活最後の1年間で,社会に出る前に自分を高められる最高の機会だと考えました.学生理事を希望させていただくのはそんな気持ちからです.

2.学生理事になって実現したいこと

・WGの活性化,
現在UNISECでは,実際に打ち上げを目指した衛星開発プロジェクトや学生の技術習得や啓蒙を目指した各種プロジェクトなど幾つものワーキンググループが立ち上がっていますが,充実している反面仕事量の多さから,皆多忙を極めていると思います.これらWGを活性化するために,総会などでの活動報告時間の充実や投票で決まる年間最優秀WG賞の創設,誰でも読むような新聞・雑誌でのコラム投稿など,日の目を浴びるかつWGの支持を集めやすい環境を整えることを行えたらと考えています.またWGを形成する学生同士のさらなる交流を深めるためにも,現在行われている総会やワークショップでの懇親会を活性化する企画なども行えたらと考えています.

・新規会員拡大と新規プロジェクトの推進(理学系,文系,教育系,芸術系)
国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」の運用開始以来,今まで以上に様々な分野の実験が行われてはニュースに掲載される,そんなことも普通に思える時代となってきました.UNISECでは現在,工学系や文系が中心となったプロジェクトは存在していますが,理学系や教育系,芸術系の学生が中心となって行うプロジェクトはまだまだ少ないと思います.
UNISECは名前の通りエンジニアリングが中心の団体ですが,これからは「エンジニアリング×別分野」という形で繋がりを広げ,新たなプロジェクトを進めていくべきです.宇宙でアクションを起こしたい様々な分野の学生を繋げ,そのプロジェクトを実際に推進するうえで必要となるモノ作りの学生も繋げていく,学生同士でこの形を実現する団体として,UNISECは最適な環境を備えています.
そのために必要なのは,工学系以外の各分野学生へのよびかけ,宣伝活動と各分野の学生が能力を発揮できるプロジェクトの募集です.そのきっかけとなるものを今年打ち出してみたいと考えています.

・海外学生との交流拡大
国際学会への学生派遣や大会運営など,UNISECを通じて海外と繋がりを持つ機会はあります.そのなかで,UNISECを世界の学生同士を繋げるための架け橋とする方法はまだまだあると思います.例えば国際学会に派遣された学生が,現地で出会った学生からヨーロッパの学生もCANSATを行っていると言われたそうですが,それらの大会とUNISECがアメリカで行っている大会と交流を持てないか,などです.日本の学生だけでなく,世界の学生とも交流を持つための基盤づくりを行えたらと考えています.nagamine kenta

3.自己アピール

肌が黒い,書く字が変,人見知りをあまりしないので誰とでも話す,などのためか比較的印象が強いと人にはよく言われます.苦手な人が現れたときは,とりあえず飲みに誘います.友人の家に畳のある部屋があれば,とりあえず大の字になります.
UNISECで縦にも横にも学生を繋げることで,宇宙開発を牽引するチームを作りたいという強い情熱があります.こんな私ですが,どうぞよろしくお願い致します!