UNISEC Space Takumi Journal

UNISEC Space Takumi Journalの目的

宇宙システムやコンポーネントなどの研究・開発・利用のための実践的工学プロジェクトを通じて得られる知見や経験を学術的価値として評価し、新しいシステムズ・エンジニアリング、設計論、方法論、信頼性工学、教育方法などを形成することで、汎用的かつ普遍的な学術的成果に高めることを目的とする。宇宙システムの本質とは何か、解析設計試験など統合技術を援用した迅速かつ効果的な開発方法とは何か、それらを実践するためにはどうすればよいのか、どう検証評価するのか、どう人材を育成するのか、など様々な課題を取り扱い、工学の創造的方法を普遍化したい。

すなわち、本ジャーナルを、実践的宇宙開発活動が学問分野として育つ「土俵」と捉えたい。実践する側は、個別の宇宙工学関連プロジェクトから宇宙工学の進展に寄与する普遍的な価値を導き出すことにより、また評価する側は、従来の常識に捉われることなく新たに構築される学問分野における普遍的価値とは何かを見極めることにより、新しい学問体系を作り出し、宇宙工学・科学の研究者全体の財産としたい。

さらに、Space Takumi(下記参照)を育成し、宇宙を現場として新しい問題を発掘し解決していくことを奨励して、その総合知識を効果的に蓄積する。

Space Takumi とは

日本では、古くから工業技術が身近に親しまれ尊敬されてきており、大工職人や工芸家など技術者集団に対し、尊敬の念を込めた「匠(タクミ)」と呼称されてきている。さらに、腕は立つが頑固な職人という狭いイメージを超えて、棟梁や名人などをも凌駕した巨匠という最上位な呼び方や、「たくみ」な工夫、意匠、などさまざまな意味を内蔵している。そこで、統合宇宙システム技術を体得した人材を、宇宙システム分野での巨匠という意味で、Space Takumiと呼びたい。

UNISEC Space Takumi Journalの終了

2011年の創刊以来、実践的工学プロジェクトに関する論文掲載の場を用意してまいりましたが、当初目的を達成できたと考え、2021年12月をもちまして、新規論文の受付を終了しました。

タイトル 著者
2020
Development and Investigation of Communication Issues on a CubeSat-onboard Amateur Radio Payload with APRS Digipeater and Store-and-Forward Capabilities Adrian C. SALCES, Marloun P. SEJERA, Sangkyun KIM, Hirokazu MASUI, Mengu CHO
星型フラクタル旋回形状グレイン搭載 ハイブリッドロケット概念設計及び打上試験 結果 高野敦, 船見祐揮, 西野沙也佳
2019
Anomaly Investigation using Telemetry Data of Horyu 2 for Single Event Latch up Hirokazu MASUI, Yuzo TANAKA, Takahiro TOMIOKA, Hiroshi FUKUDA, Kyutech satellite project and Mengu CHO
Peltier based T hermal T esting (PeTT) Vacuum Chamber: Affordable Testing Facility for Lean Satellites Benjamin BONSU, Hirokazu MASUI, Mengu CHO
2018
Design SVM Classifier for Automatic Modulation Recognition Systems Mohamed Elhady Keshk, Dagvasumberel Amartuvshin, Rafael Rodriguez, and Kenichi Asami
2016
Shinen2, an Ultra-Small Deep Space Probe: Thermal Design, Analysis and Validation Bianca A. SZASZ, Kei-ichi OKUYAMA, Sidi A. BENDOUKHA
深宇宙彫刻「ARTSAT2:DESPATCH」の開発と運用 宇佐美尚人, 沢田恭兵, 木村元紀, 久保田晃弘
2014
Design Concept of Horyu-V- The Space Environment Explorer Mohamed IBRAHIM, Batsuren AMGALANBAT, Muhammad ALKALI, Nori AIT MOHAMMED, Ammarin PIMNOO, Pauline FAURE, Yuta OKUMURA, Shunsuke IWAI, and Mengu CHO
国際的学生ロケット打上げの挑戦 で実践した技術伝承と知識創出の術 松本 剛明, 米本 浩一, 鳴海 智博, 宮本 信太郎, 伊多倉 京士朗, 佐々木 岳, 山崎 裕司
2013
超小型衛星FITSAT-1 (にわか)の開発と運用 田中 卓史, 河村 良行, 田中 崇和
2012
ハードウェアシミュレータによる超小型衛星の電源系性能評価 坂本 祐二, 桑原 聡文, 冨岡 義弘, 福田 和史, 吉田 和哉
CanSat開発を通じたシステムズ・エンジニアリング教育の実践 坂本 啓, 神武 直彦, 白坂成功, 伊藤 琢博, 山田 皓司, 成田伸一郎
超小型衛星「Negai☆″」 ―開発・製造・運用― 黒木 聖司, 毛内 健
超小型衛星開発の技術継承における新入生教育の試み 井上 祥子, 藤井 大輔, 亀村 裕之, 相浦 啓司, 屋宮 拓海, 斉藤 美幸, 間戸場 包弥
2011
UNISEC Space Takumi Journal for Practical Study of Problem Finding and Solving in Space Systems
Vol.1, No.1, 31 March 2011
東京大学における超小型衛星開発の歴史と超小型衛星設計および開発プロセスにおける議論点について 中須賀 真一
CAMUI型ハイブリッドロケットにおける異常燃焼の克服 永田 晴紀, 伊藤 光紀, 金子 雄大, 柿倉 彰仁, 森 一大, 植松 努, 戸谷 剛
A Method of Quantitative Evaluation of Architecture and Systematic Resource Allocation in Definition Phase of Microsatellite Development Ryosuke ISHII, Yukiya HANADA, Toru SUGIYAMA, Sota INOMATA, Hironori SAHARA
超小型衛星開発の技術継承における新入生教育の試み 井上 祥子, 藤井 大輔, 亀村 裕之, 相浦 啓司, 屋宮 拓海, 斉藤 美幸, 間戸場 包弥
CanSat開発を通じたシステムズ・エンジニアリング教育の実践 坂本 啓, 神武 直彦, 白坂 成功, 伊藤 琢博, 山田 皓司, 成田 伸一郎
ガンマ線バーストとX線突発天体の監視による重力波天文学の設立 米徳 大輔, 若島 雄大, 米持 元, 高田 俊介, 瀬田 大樹, 吉田 和輝, 鳥屋子 あすか, 池田博一