ARLISS 2024

2024-11-22

文責:ARLISS2024運営代表 岡田光世

集合写真

概要

ARLISS2024は、1999年の第一回大会から数えて25年目という節目の大会であり、例年にも増して多くの新しい取り組みを行いました。まず第一に、為替の影響による参加費の高騰に対応するため、クラウドファンディングを実施しました。ご支援いただいた多くの方々のおかげで、参加学生の金銭的な負担を軽減することができ、ARLISSの活動をより多くの方々に知っていただける機会となりました。
また、カムバックコンペティションにおいては、赤い球体からなる新しいゴールマーカーを試験的に導入し、今後のカムバックコンペティションをより挑戦的なものにするための貴重なデータを得ることができました。さらに、ドローンを使った投下試験や、ARLISSのホームページ制作など、多岐にわたる新しい挑戦をスタートさせることができました。
今年の大会には、日本から16チーム、海外からは3チームが参加し、悪天候にもかかわらず、全チームが無事に打ち上げを行うことができました。素晴らしい記録を残したチームもあり、参加者全員の努力と成果が光る大会となりました。
これらの成果は、ARLISSをより良いものにしようと動いてくれた学生運営チーム、先生方、参加団体の皆様、さらにクラウドファンディングでご支援いただいたすべての方々のご尽力によるものです。特に、AeroPACの皆様の多大なるサポートに深く感謝申し上げます。

場所

アメリカ ネバダ州 ブラックロック砂漠

日程

9月8日設営日
9月9日大会1日目・開会式
9月10日大会2日目
9月11日大会3日目・Night Launch
9月12日大会4日目
9月13日技術交流会・閉会式
10月20日成果報告会(オンライン)

新型ゴール

  • ARLISSという大会をより面白く、またCanSat技術の更なる進化を促すために、2024年度は新型ゴール導入の試験期間とし、従来の赤コーンに加え、試験的に新型ゴールも砂漠に設置しました。
  • 設置した新型ゴールは以下の図の通りです。従来のコーンに比べてプロパティが明確かつ、再現が容易な設計となっております。また、フライバックでの0mゴールも目指しやすいゴールとなっております。
新型ゴールのプロパティ
砂漠に設置した新型ゴール

新型ゴールのプロパティ / 砂漠に設置した新型ゴール

参加チーム

今年度から、一般枠と学生枠の2つのエントリー枠が初めて設けられました。
日本からは、学生枠に15チーム、一般枠に1チームが参加し、アメリカ、メキシコ、コスタリカからは、それぞれ学生枠に1チームずつ参加しました。
参加チームは下記の通りです。

  • 学生枠
    • Keio Team Wolve`Z(慶應義塾大学/髙橋研究室)
    • Astrum(芝浦工業大学/芝浦宇宙航空研究開発部 SHARXS)
    • STEP(筑波大学)
    • TMU NAVi(東京都立大学/宇宙システム研究室)
    • TMU Super Spider Liner(東京都立大学/宇宙システム研究室)
    • Flying Cactus(東京大学/中須賀船瀬五十里研究室)
    • Corvus(東京大学/中須賀船瀬五十里研究室)
    • SFIDA(室蘭工業大学/SARD)
    • Latech(東京工業大学)
    • ZEAL(静岡大学/SATT)
    • SHIKOU(東京理科大学/木村研究室)
    • Noah`s Ark(東京情報大学/齋藤研究室)
    • LastHighball(電気通信大学/高玉研究室)
    • Over Lights(新潟大学/NiCs)
    • TDU Space Project(東京電機大学)
    • Cocles(Universidad de Costa Rica)
    • COSMIX(UNIVERSIDAD NACIONAL DE INGENIERÍA)
    • Team Black Rock(University of Louisiana at Lafayette)
  • 一般枠
    • Super NOVA(東京情報大学)

大会詳細

9/8:設営日

全てのチームがBruno’s Country Clubの前に集まり、隊列を組んで今年のベースキャンプの座標に向けて移動しました。ベースキャンプに到着後、各チームはテントの設営とカムバックコンペティションのゴール設置に取り掛かりました。その後、参加チームはゴール座標の確認や砂漠での機体テストを実施していました。

ベースキャンプへ向かっている様子
テントを設営している様子

ベースキャンプへ向かっている様子 / テントを設営している様子

9/9:大会1日目・開会式

競技初日となる朝、ARLISS2024の開会式が行われました。開会式では、運営代表の挨拶に続き、東京電機大学の服部先生、ARLISS創設者の中須賀先生、そしてAeroPACの方からご挨拶をいただきました。また、競技1日目には、新潟大学の初参加チーム、NiCs OverLightsが見事に0mゴールを達成しました。

開会式の様子
OverLightsが0mゴールを達成した様子

開会式の様子 / OverLightsが0mゴールを達成した様子

9/10:大会2日目

大会2日目は午後から風が強まり、多くのチームがCanSatの捜索に苦戦していました。
写真は、打上げ前にCanSatのレギュレーションチェックを行なっている様子と,ロケットの打上げの様子です。

レギュレーションチェックの様子
打上げの様子1

レギュレーションチェックの様子 / 打上げの様子1

9/11:大会3日目

大会3日目は終日強風が続き、多くのチームが打上げを断念する状況となりました。特に風が強まった時間帯には、現地にいた全てのチームが車内に避難する場面も見られました。
写真は、強風に煽られている運営テントの様子と、ロケットの打上げの様子です。

強風時の運営テントの様子
打上げの様子2

強風時の運営テントの様子 / 打上げの様子2

9/12:大会4日目

前日までの強風の影響で打上げが順調に進まなかったため、最終日である大会4日目は、通常より早い午前7時30分から打上げが開始されました。朝早くから多くのチームが打上げを行い、最終的には全てのチームが予定していた回数の打上げを無事に完了できました。
東京大学中須賀・船瀬・五十里研究室のチームCorvusはゴールから326mの地点に到達し、今年度のフライバックで最高記録を達成しました。
夜には、AeroPACの皆さんによるNight Launchが実施され、電飾を施したロケットの打上げが行われました。また、砂漠の夜空には遮るものが一切なく、無数の星が空一面に輝く様子を楽しむことができました。

朝のベースキャンプの様子
Night Launchの様子

朝のベースキャンプの様子 / Night Launchの様子

9/13:技術交流会・閉会式

最終日には、砂漠で技術交流会が開催されました。技術交流会では、各チームがそれぞれのテントにブースを設置し、開発したCanSatを紹介し合い、様々な技術や知見を共有しました。また、交流したチーム同士でオリジナルサインを交換し、10個以上のサインを集めた人にはステッカーがプレゼントされる取り組みも行われました。
交流会の後、テントを撤収し、閉会式が行われました。閉会式では、東京工業大学の中西先生とAeroPACのベッキーさんからお言葉をいただきました。

技術交流会の様子1
技術交流会の様子2
閉会式の様子

技術交流会の様子1 / 技術交流会の様子2 / 閉会式の様子

10/20:成果報告会

帰国後、オンラインで成果報告会を開催しました。各チームは4分間の持ち時間で英語による発表を行い、全団体の発表終了後に相互投票で点数が集計され、Awardが決定しました。

大会結果

今年のARLISSでは、以下の5つのAwardを設定しておりました。

OverAll Winner
総合的な評価で決定
Technical System Award
システムの技術的新規性・難易度により決定
Best Mission Award
ミッションの優位性・実現性・独自性により決定
Accuracy Award
カムバックコンペティションに参加したチームの中から、ゴールまでの距離で決定
UNISEC Award
UNISEC教員により決定

Overall Winner

  • TMU NAVi(東京都立大学/宇宙システム研究室)
Overall Winner TMU NAVi

Overall Winner TMU NAVi

Best Mission Award

  1. TMU NAVi(東京都立大学/宇宙システム研究室)
    • Mission superiority:127 pt
    • Mission feasibility:119 pt
    • Mission uniqueness:132 pt
    • Total:378 pt
  2. STEP(筑波大学)
    • Mission superiority:117 pt
    • Mission feasibility:126 pt
    • Mission uniqueness:121 pt
    • Total:364 pt
  3. Flying Cactus(東京大学/中須賀船瀬五十里研究室)
    • Mission superiority:124 pt
    • Mission feasibility:108 pt
    • Mission uniqueness:132 pt
    • Total:364 pt

Technical Award

  1. TMU NAVi(東京都立大学/宇宙システム研究室)
    • Technical novelty of the system:125 pt
    • Technical difficulty of the system:133 pt
    • Total:258 pt
  2. Flying Cactus(東京大学/中須賀船瀬五十里研究室)
    • Technical novelty of the system:129 pt
    • Technical difficulty of the system:129 pt
    • Total:258 pt
  3. TMU Super Spider Liner(東京都立大学/宇宙システム研究室)
    • Technical novelty of the system:123 pt
    • Technical difficulty of the system:124 pt
    • Total:247 pt

Accuracy Award(Studet entry)

  1. Over Lights(新潟大学/NiCs):0 m
  2. Noah`s Ark(東京情報大学/齋藤研究室):3.8 m
  3. Corvus(東京大学/中須賀船瀬五十里研究室):326m

Accuracy Award(Non-Studet entry)

  1. SuperNOVA(東京情報大学):0 m

UNISEC Award

  1. LastHighball(電気通信大学/高玉研究室)

ARLISS2024クラウドファンディングご協力者

(順不同、敬称略)
(50,000円)
芦谷良介 スペースアクセス株式会社 株式会社オザキオート
株式会社小野電機製作所 鈴木 由宇
(30,000円)
馬場隆博
(20,000円)
大関幸也 池谷広大 中村 友弥
(15,000円)
佐久間麻美 2015-16年ARLISS参加者 小田切義憲
今村浩司 上野 史 北見修次
山内信裕 清水隆史 福本泰弘
(10,000円)
齋藤宏貴 岩田晃紀 松本直樹
銀水晶 カメないと BLY
大亦紀光 鉄道・関西大好き提督 我如古 慎
minakari 小田切義憲 T.Sugiyama
松井龍之介 NVS_Saitoh HokutoAsari
blackbass(ブラックバス) niku 広崎 朋史
石川 智温 平井利右衛門 おおさんしょうねこ
南条刀哉 mino.k イヌネコと
ルゥ_Ⅳ・イステア 中田大貴 岩滝宗一郎
しずらく 長夜 楠本宇宙
きのみつたか Jyona takeota
k_wakita Yukitom ROM
キョウヤ 羽モズク seemense
深谷 和正 阿部 将之 うら
fujirushi sahara-lab_OB_S(3号) ryu1k
しずあやりょ 鳥嶋真也 伊藤彰
KOGISO いとこ gawar
笹嶋 幸二 上野 史 ダンキお絵描き教室
中谷 樹 RAINBOW2007 パリ宇宙協会
#岡山宇宙教育懇談会 うにょ 佐原 宏典
Astatine ニータ はくび(くりあ星団)
へもりゅん H.Take 田中千晶
SlipperyRider 赤月 robo37 池谷広大
雨堤俊次 ぎーち kaoru
山内信裕 Densan Inada 遠藤克洋
たばた まさかず 般若 ニコニコマン
中島義之 加川敏規 石井将文
我如古 慎 Kunugise Takashi 岩月 翼
安希子 太田 衆一郎 津田 訓江
奥戸 嵩登 人見琢也 山本建司
石脇大洋 古谷 茂 寺園大地
中村友哉 金ちゃん 服部竜也
稲波紀明 Shinsei SATO 山崎直子
中理怡恒 服部聖彦 高野敦
(5,000円)
マイク〜 SATTのB4 たかけん@レッドインパルス
脇田 幸輔 加藤寛樹 ho2k.com
岩月 誠 小熊峰明 小河了一
Tadashi Ishikawa 田島 信幸 七森 泰之
石原久司 仲田航也 柳谷隆
阿部翼 小島直人