国際カンサットワークショップ

2007-12-310

2007年2月23日から24日にかけて開催された国際カンサットワークショプの報告です。

Program and Abstract(700kb)program 
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目次

  1. 開会
  2. セッション発表
  3. 高校生の発表
  4. 展示
  5. デモンストレーション
  6. 参加者の交流風景

 

1. 開会

2月23日・24日の2日間にわたって、国際カンサットワークショップが行われました。
東京大学武田先端知ビルには、このワークショップに参加するため、世界各地から170名(学生145名、一般・教員25名)が集まりました。

今回のワークショップのために作っていただいたロゴマークです。16カ国の国旗がデザインされています。東京大学の中須賀真一先生の挨拶により、ワークショップが始まりました。
JAXA宇宙教育センターの広浜栄次郎氏、知久健美氏からもご挨拶の言葉を賜りました。

2.セッション発表

 

オープニングセッションでは、日本のカンサット活動について、東大の中須賀先生がご講演。1999年に初めてのカンサット打ち上げ実証実験を、ネバダ州の砂漠でAEROPACの皆さんのご協力の下で行ってからの歩みについて述べられました。続いて、Stanford UniversityのR.Twiggs教授によるアメリカでのカンサット開発についてのご講演。新しいチャレンジについてもご紹介いただきました。

カンサットの世界にローバーを持ち込んで大きな成果をあげた東北大の吉田和哉先生からもご講演をいただきました。ランチブレイクをはさんで、セッションが再開。 午後は、カンサットを打ち上げてくれるロケットについての発表から始まりました。 1999年から毎年、アメリカでのカンサット実験でお世話になっているAeroPacのGreen夫妻が見せてくださったロケット打ち上げの動画は迫力満点でした。

北海道から参加のカムイスペースワークスの安中さんが、カムイロケットの打ち上げ動画を使って発表されました。引き続きカムイロケットの研究開発を行っている北海道大学の柿倉さんが発表されました。

コーヒーブレイクをはさんで、今度は学生によるカンサット開発についての発表です。トップバッターは青山学院大学の戸貝さん。フランスのLyon University の学生、Starzewskiさんの発表にも会場の全員が熱心に聴きいりました。

日本大学の増田さんは、日大のカンサットの過去と現在について発表されました。2006年度のARLISSで優勝した東北大の関口さんは、ローバーについて発表されました。

東京科学大学の根田さんは、東京科学大学のカンサットプログラムについて発表されました。東大の草川さんは、衛星プロジェクトのトレーニングとしてのカンサットについて発表されました。

会場では、質疑応答も盛んに行われました。ワークショップの2日めは、オーストラリアのSydney UniversityのS. Sukkarieh先生による発表から始まりました。このセッションは、各国のカンサット開発のビジョンや将来計画についての発表です。

マドリッドから3人で参加したUniversidad Politecnic de MadridのSalvadorさんの発表では、スペインのカンサット活動の取り組みについて詳しく説明していただきました。各国のユニークなアイディアと取り組みに、聴衆の皆さんも興味津々です。

NAROM ASのAmund Nylund氏からは、ノルウェーでのカンサット競技の様子と、これからの計画をご紹介いただきました。Malaysia Space AgencyのM. F. Sayuti氏からは、マレーシアでの水ロケット競技の様子や、カンサットやキューブサットなどの衛星活動の計画について発表がありました。

コロンビアからは、San Buenaventura UniversityのRodriguez教授による発表。コロンビアの宇宙開発を通した教育や、現在開発中のピコサットについてお話していただきました。また、11時からディスカッションも行われました。会場のみなさん全員が、参加しました。このディスカッションでは、カンサット製作における国際間の協力と将来計画について話し合われました。

午後からは、日本の大学のカンサット活動の発表が前日に引き続き、行われました。秋田大学の斎藤さんは秋田大学の活動や能代宇宙イベントについて発表しました。東北大の吉川さんは、能代コンペで優勝したローバーの発表をしました。

東北大のSaisudjaritさんは、フライバックで参加したカンサットの発表をしました。

3.高校生の発表

最後に、早稲田塾の高校生によるカンサットの発表が行われました。

まずは、指導にあたってきた東京大学中須賀研究室の永島さんが概要を発表されました。2006年12月から2007年2月にかけて、高校生たちは4つのプロジェクトチームを組み、カンサットとローバーの製作を行いました。これらは、カンサットキットを活用して製作されました。高校生ならではの、自由な発想のデザインが見所です。

トップバッターの一風堂チーム(佐藤博彦さん、萩原嵩之さん、月下環さん、境桃子さん)は、カンサットから、キューピー人形の放出実験を行いました。兪浩洋さん、和田紗希さん、西谷雄司さん、柳本教朝さんら4名による発表。このチームのカンサットは、太陽電池で発電を行うというものでした。

鈴木裕貴さん、佐久間美季さん、新谷陽介さん、二宮卓也さんらのチームは、ローバーの製作にチャレンジしました。船木健吾さん、山根篤弘さん、根元憲太郎さん、山野井睦さん、鈴木愛美さんらのチーム・HSSでは、カンサットのマイコンにプログラムを書き込み、LEDを点灯させました。

会場からは、高校生によるすばらしい発表に暖かな拍手が贈られました。

4.展示

ワークショップ会場では、カンサットやロケットの展示が行われました。

展示スペースでは、カンサットの機体を実際に手に取り、来場者からの質問に答えています。こちらは、東海大学のカンサット放出ができるロケットです。

5.デモンストレーション

24日のランチブレイクのあと、東北大学と日本大学によるローバーとカンサットのデモンストレーションが行われました。フロアを走り回るローバーに来場者は、目を輝かせてカメラを向けています。

こちらは、日本大学によるカンサットの写真撮影のデモンストレーションです。見事、離れた場所からの写真データの受信に成功しました。

6.参加者の交流風景

世界中から来場者との交流は、楽しみのひとつでもあります。 23日のコーヒーブレイクの様子です。リラックスした雰囲気で、話も弾みます。初日の夜は、懇親会が行われました。テーブルには、豪華なご馳走が並んでいます。

参加者同士の交流を深めてくれました。24日のランチブレイクの様子です。サンドイッチやおにぎりを片手に歓談する姿があちこちに見られました。シュークリームが大人気でした。

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