2014年度 学生代表

草野 悠太

草野 悠太 さん

所属:東海大学衛星プロジェクト 修士1年

1.学生理事を希望する理由

日本の、そして世界の宇宙開発を日本の学生から盛り上げていきたい

UNISECはこれまでの10年間で様々な活動を行なってきました。
例えば、数々の学生による人工衛星の製作・運用をはじめとして、能代宇宙イベントの運営、ARLISSへの参加など、すばらしい成果を残してきたと思います。
さらに現在では、たくさんの大学が人工衛星の打ち上げを控えています。
また、100カ国構想 Vision 2020-100や第1回UNISEC-GLOBALなど、海外に対する活動も積極的に行われています。

そこで私は、UNISECでの活動をしてきて、今後UNISECという組織を

「日本の、そして世界の宇宙開発を日本の学生から盛り上げることができる組織」にしたいと考えるようになりました。

上記の考えをもとに、もっともっと、UNISECみんなで「楽しいこと」に挑戦したいという気持ちがわき、まず自分から行動を起こそうと考え、学生理事に立候補いたしました。

2.学生理事になって実現したいこと

たくさんの「つながり」が生まれる場所

私はUNISECを様々なつながりが絶え間なく生まれる場所にしたいと思っています。
いま宇宙開発はさまざまな組織で行われています。
すでに個々の組織で人工衛星やロケット、CanSatの開発ができているのに、「なぜUNISECが必要なのか?」。
そこには、個々の組織では得ることの出来ないたくさんの「つながり」があるからだと思います。
そして、その「つながり」から、大きな力が生まれると私は信じています。

1.「人」のつながり
「総会、ワークショップを初めとした様々な交流会」
UNISECで大事なつながりの一つとして、「人」とのつながりがあると思います。
現在UNISECには、約700人の学生会員が所属しています。
しかし、その700人のつながりはまだまだ薄いと思います。
また、UNISECの総会やWSでも、同じ組織の人同士で固まってしまっていたりすることも多く、あまり新しい出会いを作れていないのではないかと思います。
なので、私はUNISECでたくさんの新しい「仲間」に出会える場所にしたいと思います。
そのために、「交流会」なども積極的に行っていきたいです。
さらには、2014年11月には第2回UNISON-GLOBALも控えていますので、海外との方々とも積極的に交流を深めていけるような体制を作りたいと考えています。
2.「知識」のつながり
「情報共有の活動」
個々の組織で活動を閉じるのではなく、UNISECがある大きな利点として、「知識」のつながり(共有)があると思います。
個々の組織で経験したものづくりの設計や試験のノウハウを相互に共有することによって、宇宙開発活動の質をより高いものに出来ると考えています。
具体的には、数年前から行なっている衛星WG情報共有会議を、従来の発表形式だけではなく、ディスカッションや新しい方法を取り入れつつ、より活発なものにして、引き続き活動を続けていきたいと思っています。
また、それと並行して、発表会で集められた「知識」についてwikiを用いて、より効果的に蓄積できるような仕組みを作っていきたいと考えています。
3.「技術」のつながり
「多団体による共同開発」
「人」と「知識」のつながりの次は「技術」のつながりをもっと増やしたいと思っていて、その一つの解が共同開発であると考えています。
個々の組織がそれぞれ所有している技術を一つの場に集結させて、個々の組織では製作することができない、より良いものを製作する。
このように、UNISECから様々な「技術」のつながりを生み出していきたいと考えています。
具体的には、各大学から数人ずつメンバーを募り、それぞれの大学の強みを活かして共同開発を行ないたいと考えています。
既に、一昨年には「UNICORN-1」で共同開発によるCanSatを製作し、去年はUNISONと直接的には関係はありませんが、学芸大が中心に様々な大学で「地震先行電離圏異常検証衛星」の設計を行なっています。
もちろん、共同開発には個々の大学での活動にプラスして、製作を行わないといけないなどの難しい点も多々ありますが、共同開発を推進していきたいと考えています。

これらの「つながり」を日本国内はもちろんのこと、世界へ向けることによって、日本の、そして世界の宇宙開発を日本の学生から盛り上げていきたいと考えています。

草野 悠太

3.自己アピール

私の行動理念は、「楽しそうであるか」と「不安であるか」にもとづいています。

「楽しそうであるか」は文字通り、その行動にわくわくするかどうかです。
そのわくわく感がないと長続きしないですし、なにより自分が最も楽しんでいないとまわりのひとを楽しませることは出来ないと考えています。

「不安であるか」は、ただ楽しいだけのことばかり行なっていては成長出来ないと感じているからです。
不安があるということは、それだけ困難なことに挑戦しようとしているのだと思っています。
そして、その「不安」を乗り越えられれば、さらに成長できると考えています。
いつも「不安」を感じたら成長するチャンスだと思っています。

これらの2つの考えのもと、プロジェクト活動(UNISEC活動)、研究、留学など、様々なことに挑戦してきたと思っています。
例えば、UNISECの活動では1年前にUNICORN-1(CanSatの共同開発プロジェクト)に参加しました。
参加前は、いままでCanSatを作ったことがなく、非常に不安でしたが、楽しいことができるのではないかと感じ、思い切って参加しました。
その結果、大変な経験もしましたが、非常に楽しく、自分にとって大きな成長につながったと考えています。

いま、UNISEC学生理事に立候補してとても「楽しみ」な反面、「不安」も大きいですが、まずは、自分が学生視点ではありますが、「UNISECはなにができるのか」、そして「UNISECはなにをすべきなのか」を徹底的に考え、UNISECの活動を思いっきり楽しんでいきたいと思っています。


田島 友祐

田島 友祐 さん

所属:電気通信大学 情報理工学研究科 総合情報学専攻 修士1年

1.学生理事を希望する理由

私が学生理事を希望する理由は,『UNISECを一つのチームにまとめる』ことを実現したいからです.

現在,宇宙は身近なものとなっております.
頭の良い限られた人だけが宇宙技術に携わり,宇宙に行ける時代ではなく,誰もが安価で手に入れやすいものから宇宙で使用可能な技術の製作が出来るようになりました.
もちろん,出来るとは言っても一人の力で容易に出来るわけではありません.
制作にかかる技術は多種であり,制作だけでなくテストもしなければならないためチームとしての力が必要になります.
我々にはUNISECというチームがあります.
UNISECはロケット・衛星・缶サットのチームがあり,それぞれが素晴らしい力を持っているけれどもバラバラのように感じます.
ですので,各チームを日本の宇宙技術を先導する一つの大きなチームとしてまとめ,今まで以上の知識・技術の向上が出来ればと考えております.

2.学生理事になって実現したいこと

○缶サット内の体制の確立
現在,缶サットではカムバックコンペティション・ミッションコンペティション・AXEL SPACE CUPがあります.
これら,多くのコンペティションにより,新規の参加団体も年々増え,参加団体も多くなってきております.
しかし,ARLISSでの技術結果はそれに応じ高度のものになっているとは感じられない状態です.
新規団体・参加経験年数の多いベテラン団体にとって,技術としてステップアップ可能な体制の確立を実現したいと思います.
○缶サット参加各団体内の技術交流
2013年では技術交流会は積極的に開催されず,各団体が自分たちのフィールドで開発をしている状況でした.
長期にわたって悩んでいる問題は,他団体にとっては過去に経験したことのある問題かもしれません.
これらの問題経験や知識,アイデアを共有せず各団体が時間を費やすことは缶サットとして,更に我々の経験値としてももったいないことです.
2014年では関東,関西,東北など各々の地域で技術交流会を積極的に開催し,それらをまとめ全体の経験・知識としたいと考えています.
○ロケット・衛星間との交流
昨年度から能代宇宙イベントにおいてロケット団体による海打ちにおいてと缶サットとのコラボが始まっています.
これは,ロケット団体のロケットに水上用の缶サットを搭載し打ち上げるというもの.
このようなコラボレーションは始まったばかりですが,本来であれば宇宙に搭載すると言う名目を持った缶サットの開発であるため,より一般的になるように促進できればと考えています.
また,衛星間とは技術知識の共有が一切されていないため缶サット間だけでなく,衛星間とも知識共有が出来ればと考えています.

3.自己アピール

私は昨年度のARLISS2012から参加を始め,宇宙に繋がるプロジェクトに携わり始めました.
本年度は研究室のPMの役職に就任し,ARLISS2013に参加をしました.
また,本年度のUNISEC総会においてホスト校としてイベントの主催に携わりました.
その際,プロジェクト・タスク管理の難しさと重要性を身にしみて学びました.
この経験を元に学生理事としてイベント等の管理,更にプロジェクト・タスク管理,缶サット技術の発信と出来ればと思っております.


馬 驍

馬 驍 さん

所属:筑波大学大学院 システム情報工学研究科 構造エネルギー工学専攻 修士1年

1.学生理事を希望する理由

目標達成に向けた課題を克服したい

UNISEC設立からこれまで20を超える超小型衛星が打上がり,また今後も打上げを控えていることから,着実に宇宙が身近な存在となっていることが見受けられます.
ロケットを開発する団体においても年々数を増しており,2013年12月現在において10団体を超える程度まで増加しました.
またその推進系や搭載計器等の種類も多様で,UNISEC設立当初と比較するとその変化は明らかです.
しかしながら,現状開発されているロケットの中で,先に述べた超小型衛星を要求された軌道に輸送することを満足するものは未だ開発されておりません.
この背景には燃焼効率の改善や超音速への遷移等非常に困難な技術的課題が存在しているためだと考えられます.
それでも近年制限高度400m程度であった能代宇宙イベントの打上げ実験が,海に向けて打つ射場が整備されることで高度10km程度までの打上げ実験が可能となり,ロケット到達距離の高高度化の傾向が見て取れます.
この結果, UNISEC団体の超小型衛星をUNISEC団体のロケットが宇宙まで輸送するという目標に着実に近づいていると私は思います.
しかしその過程において,

  • これまで蓄積したロケット開発技術を次の世代へ継承すること
  • ロケットの打上げ実験結果を全てのロケット団体で共有すること
  • 搭載計器の製作団体とのインテグレーションを密に取ること

以上3項目は必要不可欠であり,長年課題として存在している状態です.
技術継承の課題に関しては,メンバーが開発に携わる期間が短い団体ほどは特に重要となってきますが,全ての団体がそれを行えている訳ではありません.
打上げ実験結果については,射場の整備が進むとともに年々打上げ機会が増加することで,実験結果を共有することが減少していることが現状です.
特に失敗した事例を共有することは,より安全に実験を実施する上では必要不可欠となります.
また毎年ロケットの打上げが開催されているにも関わらず,ロケット団体と缶サット団体とのコラボレーション企画が全体を通して1,2団体程度のみに留まっており,お互いの団体に関して知識を有していないといった事が生じています.

以上のことから,最終的な目標に向けて先に示した課題を自らが主導することで,これら全てを克服したく学生理事に立候補致しました.

2.学生理事になって実現したいこと

○衛星-缶サット-ロケット各団体内の”積極的”な交流
衛星団体による定期的な情報共有が2011年より開始し,現在に至っておりそのそれによる成果・実績は明らかです.
しかしながら,特にロケット製作を主とする学生団体は全国に散らばっており,距離的・金銭的な問題により直接顔を合わせての交流が困難となっているのが現状です.
ロケット団体に限らず,缶サット団体もまずはこの問題を解決し,まずは各団体内での“積極的”な交流を促進したいと考えております.
○衛星-缶サット-ロケット団体間の”積極的”な交流
上記の交流が促進すると同時に,一方で衛星-ロケット,ロケット-缶サット,缶サット-衛星といったように,UNISEC産の衛星を同じくUNISEC産のロケットを用いて軌道投入するには,各団体間の交流が必要不可欠であると考えています.
2013年夏のARLISSレビュー会に私が見学させて頂いた際,ロケット団体からは私1人のみ,衛星団体からも1名のみの参加となっておりました.
近年能代宇宙イベントにおいて1,2団体程度の缶ロケコラボは見られるものの,現状上記に示した交流が出来ているとは必ずしも言えません.
UNISONではよく横や縦の”つながり”という言葉を用いる場面が増えてきています.
先代の先輩方の功績により“つながり”を意識するUNISONメンバーは着実に増えているものの,実際に行動に移しているメンバーは少ないと感じました.
そこで,この団体内部での交流と平行して各団体間の“積極的”な交流も促進したいと考えております.

以上2つの交流に関する事柄については交流会WGとの連携を私自身が積極的に取ることで,発言するだけではなく実際の行動に移したいと考えています.

○修士2年次生を主体とする缶ロケコラボプロジェクトの実施
【課題】
以前ロケットを全国のロケット学生団体で分担して作成するというUNISTARプロジェクトがUNISONプロジェクトとして実行されました.
私自身打上げ実験に携わり無事安全に実験を終えることが出来ましたが,課題も明らかとなりました.
以下に示します.
  • 進捗状況の共有不足
  • 機体製作上での作業量の偏り
  • 作業スケジュールの管理,設計の遅れ
  • 打上げ現地入り後の現場判断

【本プロジェクト体制の決定】
上記課題を克服するためには,コミュニケーションを自主的に行い,メンバー全員が全体のビジョンが見通せる必要があると考えられます.
そこで本プロジェクトは2014年度に修士2年次となる学生を中心にメンバーを構成することと致しました.
その理由として,

・コミュニケーション
UNISONを介して最も顔を合わせた回数が多いメンバーで構成することで各自積極的な交流が見込まれます.
・プロジェクト
また最高学年を軸とすることで,プロジェクトのビジョンを全員が共有し易くなると思われます.

これらの要素を持つことで,ロケット団体,缶サット団体,衛星団体それぞれの垣根を越えた交流を実現できると考えております.
以上示した通り,本プロジェクトは先代のUNISTARプロジェクトで明確化した課題を克服する可能性を有しております.
さらにこれらのプロジェクトをデータベース化し情報として残すことで,缶ロケコラボを今後実施して行く上での基準にしたいと考えております.
以上を私自身が主体となって進めたいと思います.○射場ごとの整備および規格化現在全国に5~6程度の射場があり,それぞれロケットの打上げ実験に用いられています.
そして今後も新規に射場を利用する団体が増えると予想されますが,その際,各射場で使用するランチャを始め打上げに用いられる規格が異なる事が考えられます.
ランチャレールとランチラグの相性を考慮し,ラグの素材と寸法を統一することを代表例に,新規団体が利用しやすい射場の実現を目指したいと考えています.
その結果,打上げ団体による射場の選択肢が増え、より自由度の高い打上げ実験を可能にしたいと考えています.○UNISEC内に安全管理基準の完成UNISONロケット団体内において,打上げ実験時の安全基準を設けるための「ロケット開発に関する安全基準」の協議が2010年より続いております.
しかしながら,現在その進捗状況は不透明のままであり,あやふやになっている事が問題であると感じています.
そこでこのロケット安全基準に関する協議を2014年度で確定し,早々に全体に公開するレベルまで到達させたいと考えております.○UNISON団体のモチベーション維持および向上UNISON学生団体には大きく分けて研究室が背景にある団体とそうでないインカレ団体が存在します.
その違いから,開発に対するモチベーションに差が生じる事は否定出来ません.
そこで団体それぞれの背景に見合った目標を設けることを支援し,各団体のモチベーション維持および向上に繋げ,最終的にはUNISEC全体の意識向上に繋げたいと考えています.

3.自己アピール

私は2009年の第5回能代宇宙イベントから参加し,PMという役職に興味を持つようになりました.
学部3年次の時に所属団体のPMに就任し,第7回能代宇宙イベントにおいてロケット打上げ実験に,自団体のマネジメントという形で携わりました.
それ以降はロケットの打上げ実験が安全にかつ円滑に進む環境を整えるべく,主に能代宇宙イベントの運営としてイベントに参加し,ロケット団体全体の安全管理等で打上げ実験に携わりました.
また交流会WGのイベント等でロケット団体に限らず世代の異なる多くの方と知り合う機会を活用し,個人的に他団体を訪問することで開発現場および実験等を直接体験してきました.
昨年初めて見学に訪れたARLISSレビュー会では,ロケット団体内では感じられない独特な緊張感が非常に新鮮で,その時初めて缶サット団体の”現場”を感じました.

以上より,まずは私自身が積極的に動くことでUNISONでの交流を促進させたいと思います.
そして,これまで培ってきた経験を活かして,UNISECをさらに活動し易すく,且つ,ロケット-衛星-缶サット相互の“現場”を真に理解・把握できる場にしたいと思っている所存です.
精一杯努めますので,皆様もご協力ください!よろしくお願いします!