UNISEC WORKSHOP 2015 報告

2016-04-120

2015年12月5日、6日にUNISEC Workshopが首都大学東京で開催されました。

[公式ホームページ / 写真報告]

目次

  1. 概要
  2. 1日目:12月5日
    1. 開会式・UNISON全体会議
    2. 各WG活動報告
    3. 交流会イベント[Mission Idea Contest in UNISON]
    4. 懇親会
  3. 2日目:12月6日
    1. ポスターセッション
    2. 各WG活動報告
    3. 活動報告会
    4. UNISON/UNISAS合同イベント
    5. さいごに

1. 概要

開催概要

日時: 2015年12月5日(土)~12月6日(日)
場所: 首都大学東京 日野キャンパス
主催: NPO法人 大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)
首都大学東京
後援: 社団法人 日本航空宇宙学会
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構
社団法人 日本機械学会 宇宙工学部門
遠方学生の
交通費・宿泊費:
公益財団法人 電通育英会

参加者人数

学生出席者 186名
一般出席者 42名
合計 228名

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2. 1日目:12月5日

2.1. 開会式・UNISON全体会議

今年は始めに、UNISON全体を集めて「UNISON全体会議」を行いました。 まず初めにUNISON代表の自己紹介を行った後、UNISON代表が総会に引き続き、今後のUNISONの活動理念/長期ビジョンについて宣言を行いました。 今後のUNISONの長期ビジョンは「教育団体から社会貢献団体へ」です。 今後は、UNISONとしても社会貢献を目指して活動を行っていくこととなります。
また、今回のワークショップでは、特に「UNISON同士の議論」を行うことを一つのテーマとして掲げて実施して参りました。

2.2. 各WG活動報告

2.2.1. 衛星WG

衛星WGでは、各団体の超小型人工衛星の開発・運用の成功率向上の為に、年3回(7月、12月、3月)発表会やディスカッション等といったイベントを企画・運営し開催しています。 また、衛星WGで開催しているイベントは、衛星開発を行っている団体同士での情報共有を活性化させ横のつながりを強化することも狙っています。
今回は「情報共有発表会」を実施しました。
ディスカッションの資料、各テーマの議事録に関しては衛星WGで整備しているデータベース(Wiki)にアップロードして更なる情報共有を図る予定です。

2.2.1.1. 情報共有発表会

情報共有発表会では、「C&DH系」のテーマで下記の3団体に発表して頂きました。

  1. 大阪府立大学 発表タイトル:「OPUSAT-KIT開発におけるソフトウェア設計について」
  2. 九州工業大学 発表タイトル:「鳳龍弐号C&DH系開発及び運用報告」
  3. 東京科学大学 発表タイトル:「超小型衛星TSUBAMEのC&DH系軌道上運用結果と技術課題」
衛星WG 衛星WG
衛星WG 衛星WG
衛星WG

2.2.2. ロケットWG

ロケットWGでは、以下7部構成でミーティングを行いました。

午前の部
  1. 自己紹介
    1人20秒、初参加の人も多く活発な交流ができました。
  2. 能代宇宙イベントの報告
    ロケットに関しては、打ち上げ機体数が毎年増加傾向にある能代宇宙イベントの、次年度の運営に向けた改善点を中心に、報告、反省を行いました。
  3. 射場管理について
    現在全国3か所(能代・伊豆大島・加太)で主に行われているハイブリッドロケットの打ち上げについて、現状での射場利用状況と今後の打ち上げ実験の実施予定等を確認しました。 また、今年度より導入された伊豆大島・加太の参加登録の共通化についての調整を行いました。
  4. 海外学生との交流会報告
    ロケットWGより代表者2名がイタリア・ミラノで行われたEASMに参加しました。 ここで得た、主にヨーロッパの学生団体による宇宙開発状況の情報を共有しました。
  5. 長期ビジョンの確認
    総会で決定した社会貢献活動について、今後も継続的に行っていくという認識のもと、意見を共有しました。
午後の部
  1. ガイドライン
    現在までに執筆されたガイドラインの内容を確認しました。 また、今後の執筆計画についても意見交換しました。
  2. 「ランチャ共有しよう!!」プロジェクトの報告と説明
    現在までに行ったランチャ講習会等の活動状況の報告を行いました。 また、共通で利用するランチャならではの仕様の確認、今後の製作計画について確認しました。 また、当プロジェクトの目的『ランチャーの所有,非所有に限らず、全団体が自由度高く、生き生きと打ち上げ実験を行えるようにする』について、再確認しました。
ロケットWG

2.2.3. CanSatWG

CanSatWGは、大きく分けて二部構成により実施しました。
第一部では、ワーキンググループ運営からの報告事項として、能代やARLISSの報告および反省、国際CanSatプロジェクトの告知、来年度の運営体制について話しました。 CanSatを行う団体は増加傾向にあり、活動の幅を広げていくことを考慮すると、運営メンバーを増やすことが避けられません。 各団体の一人以上が運営に参加して、ワーキンググループの発展に貢献する必要性を共有しました。
第二部では、運営側と参加者がインタラクティブに話し合う部として、将来的に実現したい新規コンペティションの検討会を行いました。 カムバックミッションが達成されてから数年が経ち、団体ごとに技術力の差はあるものの、ミッション達成の最適解が収束しつつあります。 このことからカムバックコンペティションは技術要求が明確なミッションを確実にこなす性質であるといえ、カムバックコンペティションを継続する一方で、技術要求が未だ不明であり未知への挑戦が必要となるコンペティションを新規に考えたい、という経緯より開催に至りました。
ブレインストーミングを行いながら話し合った結果、「パラシュートを使わない減速機構でエッグリフトコンペ」「GPSを使わないカムバックコンペ」「どれだけ地面を掘ったかコンペ」などが意見されました。 今後も検討を行い、来年の能代宇宙イベントでプレ開催を行いたいと考えています。

CanSatWG CanSatWG

2.2.4. GSN WG

GSNWGではアウトリーチの一環として国際周波数調整の手続きに関する勉強会を行いました。 今回は前半に手続きのマニュアル作成に当たって勉強会の参加者の方々からフィードバックを行い、後半には参加者の方々のにお持ちしていただいたパソコンを使用してのAPI及びコンター図の作成を行いました。 今後は勉強会で得た意見を元にQ&Aページを作成するなど、GSNでUNISEC全体に国際周波数手続きに関する情報を共有する試みを行っていくことを考えています。

GSNWG GSNWG

2.3. 交流会イベント[Mission Idea Contest in UNISON]

交流会では従来の「WGの垣根を超えた活動」に加え、「全WGにフィードバックのある活動」を目指しシステムズエンジニアリング講習会を行ってきました。 今回は、簡易的なミッションアイデアコンテストを行いシステムズエンジニアリングの基礎の部分をグループワーク形式で実践しました。 まず、こちらで用意した課題のソリューションをブレインストーミングしてもらい、一つに絞ってそのコンセプトを決定しました。 その後、具体的な”物”としてそのアイデアを概念設計に起こしました。 最後にコンセプトを元に要求分析を行い、概念設計に修正を加えました。 各グループに発表してもらったミッションのアイデアは今後、UNISONプロジェクトなどで実現を目指して活動していこうと考えております。

2.4. 懇親会

懇親会は首都大学東京の食堂で行いました。 毎年恒例となっている、全国団体自己紹介リレーや、レクリエーションを行い交流を深めました。

3. 2日目:12月6日

3.1. ポスターセッション

2日目最初のプログラムはポスターセッションでした。 活発な議論が行なわれ、有意義な時間となりました。
ポスターの構成やその団体の活動が分かりやすい団体に送る「UNISON賞ポスター発表部門」の投票を行いました。

ポスターセッション ポスターセッション
ポスターセッション ポスターセッション
UNISON賞 ポスター発表部門
第1位 電気通信大学 高玉研究室
(同率)第2位 大阪府立大学 衛星プロジェクト
(同率)第2位 東海大学 学生ロケットプロジェクト

皆様、おめでとうございます!

ポスターセッション表彰 ポスターセッション表彰
ポスターセッション表彰

3.2. 各WG活動報告

2.2.1. 広報WG

UNISONのゆるキャラを決定する話し合いを行いました。 UNISONゆるキャラ企画は、2015年6月に開催されたUNISON/UNISAS合同イベント「UNISONのアウトリーチを考えよう」で発案された企画です。 11月からUNISEC WS開催日までに、UNISON学生からゆるキャラを募集しました。 広報WGでは、応募されたゆるキャラ案を精査し、下記の採用案を決定しました。 また、優秀賞として、2点を決めました。

広報WG
[UNISONゆるキャラ]
広報WG 広報WG
[その他の優秀案]

3.2.2. 交流会WG

前日に行われたシステムズエンジニアリング講習会で挙がったミッションのアイデアをこちらで集め、その中からUNISONプロジェクトでどのミッションを実現させていきたいか班ごとに話し合いました。 その際、ミッションを根拠を持って選んでもらい、最後に選んだミッションとその理由を班ごとに発表してもらいました。 これらの結果をもとに、交流会でどのミッションをUNISONプロジェクトとするかもう一度話し合い、実現に向けて動き出していきたいと考えております。

3.3. 活動報告会

3.3.1. 学生口頭発表

学生口頭発表は、各団体が提出した1年間の活動報告内容を記したアブストラクトを元に投票を行い、事前の獲得票数が多かった上位8団体に口頭発表を行って頂きました。 当日発表した順番及び大学/団体名は以下に示す通りです。

No. 団体名 発表スライド
1 大阪府立大学 衛星プロジェクト
2 九州大学 宇宙機ダイナミクス研究室
3 慶應義塾大学 Team Wolve’Z
4 筑波大学 「結」プロジェクト
5 電気通信大学 高玉研究室
6 東海大学 学生ロケットプロジェクト
7 東京科学大学 松永研究室
8 日本大学 宮崎・山﨑研究室
活動報告会 活動報告会
活動報告会 活動報告会

衛星、CanSat、ロケットそれぞれの団体が活動内容の報告や、今後の活動方針を中心に発表しました。 これらの発表を聞き、8団体の中から参加者各人が良かったと思う団体を1つ選び投票した結果、以下の順位となりました。

UNISON賞学生口頭発表部門
第1位 電気通信大学 高玉研究室
第2位 東京科学大学 松永研究室
第3位 大阪府立大学 衛星プロジェクト

皆様、おめでとうございます!

UNISON賞 表彰 UNISON賞 表彰

3.3.2. CLTP6活動報告

2015年度に行ったCLTP6(Cansat Leader Training Program 6)の報告を北海道大学の須田様に行って頂きました。

3.3.3. 特別講演

今回のワークショップでは、総務省の竹下様とJAXAの嶋田先生にそれぞれご講演をして頂きました。

[総務省 総合通信基盤局電波部国際周波数政策室 竹下様]
小型衛星の国際周波数調整の重要性や、具体的な手続きの流れについてお話を頂きました。

[JAXA 宇宙科学研究所宇宙飛翔工学研究系 嶋田先生]
ロケットの安全化により宇宙輸送がどのように発展していくか、今後の発展が期待されるハイブリッドロケットについて技術的な内容についてお話を頂きました。 普段ロケットを触っていない学生でも、細かい部分までお話頂き、大変勉強になりました。

3.3.4. 成層圏気球実験環境の構築について

和歌山大学 秋山先生にバルーンサット/成層圏気球/スペースバルーンの使用に関する諸注意や、今後、成層圏気球実験環境を構築するに当たり、留意すべき項目についてお話がありました。

3.3.5. 各WG活動報告

UNISONの各WGの代表の方々がワークショップまでの活動報告と、ワークショップ1日目で話し合ったことについて発表を行いました。

各WG活動報告 各WG活動報告
発表資料
[衛星WG / ロケットWG / CanSat WG / GSN WG / 広報WG / 交流会WG]

3.4. UNISON/UNISAS合同イベント

UNISECワークショップの最後にイベントとして、UNISON/UNISAS合同イベントを実施しました。 今回のイベントでは「今年1年間でUNISONは発展したと思いますか?」というテーマについて、各WG毎に分かれてディベート形式で議論を行いました。 各ディベートにはUNISASの方々がついて、ディベートの仕方についてアドバイスを頂きました。

このイベントを通して、「UNISONの発展とは何か?」について改めて考えるキッカケになったのではないでしょうか。 この貴重な経験をすることができた、本イベントを企画/運営をして頂いたUNISASの方々に心よりお礼申し上げます。

3.5. さいごに

最後にUNISASの方々による年間のUNISAS活動報告とUNISAS賞の授賞式が行なわれました。 受賞した皆様おめでとうございます。

UNISAS賞
第1位 東京科学大学 松永研究室
第2位 大阪府立大学 衛星プロジェクト
第3位 東京大学 中須賀・船瀬研究室
第4位 日本大学 宮崎・山﨑研究室

また、毎年恒例となりました次期UNISON代表立候補者による簡単な自己紹介と一言を頂きました。 次期UNISON代表立候補者は以下の3人です。

  • 首都大学東京 学部4年 賀来将大さん
  • 東京理科大学 修士1年 中村将大さん
  • 東京科学大学 学部4年 八島京平さん

締めの言葉を開催校の首都大学東京の渡邉さんに頂き、UNISEC WSは無事に終了しました。 参加して頂いた皆様、本当にありがとうございました。

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