報道関係各位
2024年2月8日
認定NPO法人大学宇宙工学コンソーシアム
-世の中の知見を活用し宇宙飛行士候補者の訓練にアレンジ -
有人宇宙システム株式会社(JAMSS)と認定NPO法人大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)および日本大学理工学部は、2023年9月12日(火)~15日(金)の4日間、日本人宇宙飛行士候補者の2名に対して基礎工学における訓練を実施しました。
©JAXA
本訓練は日本大学理工学部航空宇宙工学科山﨑政彦准教授によって開発された超小型人工衛星トレーニングキット「HEPTA-Sat」を用いて実施しました。宇宙飛行士候補者2名には「HEPTA-Sat」を一から組み立て、プログラミングをして、実装、実験を行ってもらい、4日間の訓練を通じて、電子・電気工学の概論を学んでもらいました。
▼「HEPTA-Sat」トレーニング講師+宇宙飛行士訓練インストラクタがタッグを組んだ背景
宇宙機で使われる機器には多くの電子機器が使用されているため、宇宙飛行士にも電子機器を修理する技量が求められます。また宇宙で使われる機器は長い年月をかけ検討・設計・製造・試験・運用の過程を経ますが、これらの過程を理解し、問題を解決する力をつけることは、これらの作業に係る地上の技術者と宇宙飛行士がコミュニケーションする上で欠かせません。よってこの過程を短期間で学べる「HEPTA-Sat」を候補者向け訓練として有効と考え、JAXAに提案し、採用となりました。
基礎工学訓練を受ける米田、諏訪両宇宙飛行士候補者 ©JAXA
▼宇宙飛行士候補者の基礎訓練におけるJAMSSの役割
JAMSSは国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)から受注した契約業務として、日本人宇宙飛行士候補者の基礎訓練における支援を行っています。「きぼう」日本実験棟の運用管制員及び訓練インストラクタとしての長年の知見から、現在そして将来宇宙飛行士に必要とされる技量を見極め最適な基礎訓練内容にアレンジした訓練計画を提案し、実際の訓練を支援しています。
▼担当者コメント
- 有人宇宙システム株式会社(JAMSS)訓練インストラクタ 醍醐加奈子
- 宇宙飛行士が宇宙で行う作業では多くの電気・電子機器を扱います。「HEPTA-Sat」トレーニングは宇宙機を題材に、宇宙飛行士の観点から必要となる電気電子の基礎的な理解やポイントをわかりやすく、また体形立ててまとめられた教育プログラムであったことから、基礎訓練でぜひ取り入れたくUNISECと日本大学山﨑先生にご相談させていただき実現させることができました。宇宙飛行士向けにコースをチューニングいただくなどご対応いただき良い訓練となりました。ご対応いただいたUNISEC、山﨑先生及び支援いただいた学生の皆さまに大変感謝しております。
- 認定NPO法人大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)国際委員会委員長 川島レイ氏
- 10年以上、多様な受講者からのフィードバックを受けながら進化してきたHEPTA-Satトレーニングを、宇宙飛行士候補生の訓練に採用いただけて、大変光栄です。宇宙工学技術をハンズオンで「腑に落ちて理解する」経験をされたことが、宇宙飛行士としての重要な任務を全うする中で少しでも役に立つことがあれば、嬉しく思います。
- 日本大学理工学部航空宇宙工学科山﨑政彦准教授
- 「HEPTA-Sat」は、複数の要素とそれをつなげるインターフェースから構成される超小型の衛星を題材とした“システム”を学ぶ教育教材です。人類の地球周回軌道以外の活動が広がる中、今後ますます重要性が増し、能力の向上が求められる宇宙飛行士の訓練にお役に立てればと思っています。
▼関連リンク
▼本件に関するお問合せ
問合せフォーム https://www.jamss.co.jp/contact 認定NPO法人大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)
TEL 03-5800-6645 / E-mail info(at)unisec.jp 日本大学理工学部 庶務課
TEL 03-3259-0514 / E-mail cst.koho(at)nihon-u.ac.jp
※メールアドレスは(at)を@に直してお送りください