今回は、前例のないことだったゆえに、その目的からして手探りの状態ではじめたものでした。結局、このプログラムの目的がわかったのは、すべてやり終えた後だったかも知れません。高校生に対して"教える""発表する" ということより、むしろこのプロジェクトの一連の流れ、つまり、高校の先生とのやり取りや、工学的な知識のすくない高校生に対して何を、どこまで、どうやって発表すればいいのかと考える、そういったことを通してたくさんの混乱や発見が発表者側にもありました。
高校生にとって、生身の大学生の話を聞くチャンスというのはまれであり、その後の反応から見ても、非常にいい機会になったようです。衛星の話やカンサットの打ち上げシーンなどを目にし、航空宇宙への興味も増したとの声が多く聞けました。 最後にとったアンケートからは『カンサット絶対作ってみたい!』といった意欲的な声や、『衛星やロケットの役割、初めて知った』『打ち上げシーン、感動した』と感動の声も聞くことができました。
すぐ先の未来である先輩が何かに熱心に取り組む姿をみて、後輩たちに何かを感じてもらえたとすれば、本当にこの企画は成功なのではと思います。また、発表者側にも自分の行う研究やプロジェクトを違った視点から見ることができ、たくさんの発見があったとても貴重な機会でした。