概要
2011年6月5日(日) から12日(日)まで開催された第28回ISTS国際展示会において、UNISECブースを出展した。
これに関して報告する。
1. 目的
本展示会には、研究者、一般来場者(大人・子供)など、様々な来場者が訪れる事が予想されていた。
そこで以下のように、来場者に応じて目的を3つ設定した。
- 研究者に対し、第3回、第4回超小型衛星シンポジウムとUNISECの活動(特に大学生・大学院生による実践的な宇宙開発)を広報する事
- 一般来場者に対し、UNISECの活動(特に大学生・大学院生による実践的な宇宙開発)を広報する事
- 一般来場者(特に子供)に対し、我々の活動を通して宇宙開発に興味を持ってもらう事
2. 日程・場所
日時 | 2011年6月5日(日)〜12日(日) 9:30〜17:00 (6月5日(日)は10:00〜17:00) |
場所 | 沖縄コンベンションセンター展示場 |
図1:沖縄コンベンションセンター展示場
3. 日程・場所
3-1. UNISECブース
本展示会の開催前にあらかじめUNISEC加盟団体に対し、UNISECブース展示用の物品を募り、集まった物品を展示した。
加盟団体に出展して頂いた物品を表1に示す。
表1:出典物品
番号 | 出展団体 | 出典物品 |
1 | UNISEC事務局 | 第3回超小型衛星シンポジウムチラシ |
第4回超小型衛星シンポジウム |
UNISECパンフレット |
第2回CLTP案内チラシ |
UNISEC案内チラシ |
UNISEC Tシャツバザーチラシ |
第3回超小型衛星衛星シンポジウムポスター |
2 | UNISON | UNISON紹介チラシ |
CanSat紹介チラシ |
UNISON紹介 |
3 | 愛知工科大学 奥山研究室 | UNITEC-1(構造モデル) |
4 | 大阪府立大学SSSRC | 団体紹介ポスター |
CanSat(パラフォイル型) |
CanSat(飛行機型) |
5 | 京都大学 生存圏研究所 | 団体紹介ポスター |
6 | 帝京大学 | 団体紹介ポスター |
7 | 東京工業大学 松永研究室 | CubeSat(エンジニアリングモデル) |
CanSat(350mlサイズ) |
8 | 慶應義塾大学 Wolve'Z | CanSat(飛行機型) |
キャリア(カンサット収納用) |
9 | 和歌山大学 宇宙開発プロジェクトチーム | 団体紹介ポスター |
10 | 九州工業大学 宇宙システム研究室 | ポスター×3 |
ロケット×2 |
11 | CORE | ハイブリッドロケットエンジン(個体) |
12 | 東海大学 学生ロケットプロジェクト | ロケット(H-24) |
団体紹介ポスター |
13 | 電気通信大学 | CanSat(ローバー型) |
UNITEC-1(段ボールモデル) |
14 | 九州大学 宇宙機ダイナミクス講座 | CanSat(カイト型) |
15 | 九州大学 PLANET-Q | 団体紹介ポスター |
3-2. 子供向け催し
また、一般来場者(特に子供)に対し、我々の活動を始めとする宇宙開発について興味を持ってもらう目的で、子供向けに5種類の催しを企画した。
子供向け催しを表2に示す。
表2:子供向け催し
番号 | 名前 | 内容 |
1 | 八木アンテナによる人工衛星の電波受信実験 | あらかじめ組み立てられた八木アンテナを用いて、日本大学の超小型衛星”SEEDS”から届く電波の受信実験を行う。 |
2 | クイズ形式によるカンサット&超小型衛星の紹介 | クイズを交えながら、カンサットと超小型衛星の紹介を行う。またカンサットの実物を見せ、小さく収納する為に施されている工夫を知ってもらう。 |
3 | 超小型衛星パズル | 衛星に搭載される、CPU(コンピュータ)、通信機器やアンテナなどの機器は、衛星内の熱のバランス等の機器同士の相性によって配置が決定される。本催しでは、パズルを通して、衛星の機器配置を考える。 |
4 | ペーパーロケット工作体験 | モデルロケット(実物)を見てもらうことで、宇宙や科学への興味を促す。同時に、実際に自分でロケットの模型を作成してもらう事で、ものづくりの楽しさを知ってもらう。 |
5 | 三浦折工作体験 | 三浦折用の用紙を準備し、工作を行う。同時に、三浦折が宇宙製品を始めとする様々な物に応用されている事を知ってもらう。 |
なお、来場者が多く集まり、UNISECブースでは収容できない際は、展示場の「科学工作ブース」の一角をお借りし、そこで子供向けに催しを行う事とした。
4. 運営メンバ
UNISON会員に事前に声をかけたところ、約10団体から約20名が集まった。
また本展示会期間中、急な事にも関わらず、新たに別のUNISON会員にも協力して頂けた。
これらのメンバで、交代しながらブース運営を行った。
5. スケジュール
5-1. UNISECブース
展示会期間中のUNISECブース展示のスケジュールを表3に示す。
表3:UNISECブースのスケジュール
UNISECブース |
月日 | 時間 | 内容 |
6月5日(日) | 10:00〜17:00 | 諸物品を展示 |
6月6日(月) | 9:30〜17:00 | 諸物品を展示 |
6月7日(火) | 9:30〜17:00 | 諸物品を展示 |
6月8日(水) | 9:30〜17:00 | 諸物品を展示 |
6月9日(木) | 9:30〜17:00 | 諸物品を展示 |
6月10日(金) | 9:30〜17:00 | 諸物品を展示 |
6月11日(土) | 9:30〜17:00 | 諸物品を展示 |
6月12日(日) | 9:30〜17:00 | 諸物品を展示 |
5-2. 子供向け催し
展示会期間中の子供向け催しのスケジュールを表4に示す。
表4:子供向け催しのスケジュール
子供向け催し |
月日 | 時間 | 内容 |
6月7日(火) | 9:30〜11:30 | (1) |
6月9日(木) | 9:30〜11:30 | (2) |
6月9日(木) | 13:30〜15:30 | (2)・(3) |
6月10日(金) | 9:30〜11:30 | (2)・(4) |
6月11日(土) | 9:30〜11:30 | (5) |
*対応番号は以下の通り。
- 手作りアンテナによる人工衛星の電波受信実験
- クイズ形式によるカンサット&超小型衛星の紹介
- 超小型衛星パズル
- ペーパーロケット工作体験
- 三浦折工作体験
6. 展示会の様子
6-1. UNISECブース
研究者や一般来場者(大人・子供)を問わず、連日多くの来場者にUNISECブースへ訪れて頂いた。
特に、小学生・中学生が団体で訪問する時間帯には、UNISECブース周辺には非常に多くの人が集まった。
図2:UNISECブースの様子
一般来場者に対しては、適宜展示物品の補足説明やチラシ配布を行った。
また、研究者に対しては、それに加え、第3回・第4回超小型衛星シンポジウムの告知やチラシ配布も行った。
図3:補足説明の様子 / 図4:チラシ配布の様子
6-2. 子供向け催し
6-2-1. 八木アンテナによる人工衛星の電波受信実験
6月7日(火)午前10時前、展示場内アナウンスにて実験の案内をして頂き、幼稚園に通っている生徒が実験に参加してくれる事となった。
午前10時に展示場内の科学工作ブースにて集合後、展示場外へと移動した。
午後10時20分頃から約10分間にわたり、八木アンテナによる人工衛星の電波受信に挑戦した。
全ての子供達が受信に成功する事は出来なかったが、多くの子供達は受信に成功した。子供達は、宇宙から送られてくる信号音を聞いて喜んでいた。
6-2-2. クイズ形式によるカンサット&超小型衛星の紹介
クイズ形式によるカンサット&超小型衛星の紹介では、A3の紙を用いてカンサットと超小型衛星の紹介を行った。
クイズ形式で、宇宙にものを輸送するときの値段やカンサット・超小型衛星がいかに小さいかを知ってもらい、最後に翼タイプのカンサットを実際のロケットキャリアに詰めることに挑戦してもらった。
宇宙に行くための費用が大きいことは驚きが大きく、超小型衛星の意義を理解していただけたと考える。
また実際にカンサットに触れ、小さく畳んでキャリアに収納する仕組みは大人子供問わず興味を持っていただけたようである。
図7:超小型衛星クイズの様子
6-2-3. 超小型衛星パズル
超小型衛星パズルでは、10cmキューブの箱に人工衛星の要素(コンピュータ・バッテリ・通信機など)をどのように詰め込むかの立体パズルをしてもらった。
開催期間にきてくれた子供たちの年齢層が低く、内容がやや高度であったため、難しかった部分も多かったと思われるが、パズルのあとで実際の超小型衛星を興味深く見てくれるなど、興味を持ってもらえたようである。
図8:超小型衛星パズルの様子
6-2-4. ペーパーロケット工作体験
ペーパーロケット工作体験では、紙で15cm程度のロケットを作ってもらい、飛ばしてもらった。
時間の都合で、ノーズコーンや胴体の部分はこちらである程度作っておき、フィンに関して、どんな形で何個、どこに付けるのがいいのか考えてもらいながら工作を行った。
場所が限られていたこと、予想よりも多くの子供たちが来てくれたことなどから、当初の計画していたように一人ひとりにじっくり教えることができないことも多かったが、用意した型紙がすべてなくなるほどの大盛況であった。
図9:ペーパーロケット工作体験の様子
6-2-5. 三浦折体験
三浦折りは、JAXA宇宙教育センターの方に用紙を用意していただき、ブースで子供たちに折ってもらった。
三浦折りを折ってもらった後に、この折り方がどのようなところで使われているかなどの話をして、宇宙を身近に感じてもらえたのではないかと考える。
図9:三浦折体験の様子
7. 総括
「1. 目的」で掲げた3つの目的は、以下の通りであった。
- 研究者に対し、第3回、第4回超小型衛星シンポジウムとUNISECの活動(特に大学生・大学院生による実践的な宇宙開発)を広報する事
- 一般来場者に対し、UNISECの活動(特に大学生・大学院生による実践的な宇宙開発)を広報する事
- 一般来場者(特に子供)に対し、我々の活動を始めとする宇宙開発について興味を持ってもらう事
上記3つの目的に対し、(1)と(2)については、展示中に適宜説明を加えたりチラシを配ったりする事で目的を達成でき、(3)については、展示中に適宜説明を加えたり子供向けに催しを行う事で目的を達成できたと考える。
特に一般の方々からは、「大学生がロケットや人工衛星を作っているなんて、思いもしなかった」「UNISECブースのおかげで、今まで遠い存在だった宇宙を身近に感じることができた」といった御意見も頂いた。
さらに、UNISECブースの運営メンバの中には、お互い初めて会うメンバもいたが、ブースの運営を通じて、UNISECメンバ同士の交流を深める事が出来た。
8. 謝辞
UNISECブースに訪れて頂いた来場者、本展示会のブース区画をUNISECにご提供して頂いた第28回ISTS国際宇宙展示事務局をはじめとする関係者の方々、科学工作ブースの三浦折り企画にご協力を頂いたJAXA教育センターの関係者の方々に対し、厚く御礼申し上げます。
また、UNISECブース展示の運営にご協力頂いたり物品を出展して頂いたりしたUNISEC会員、並びにUNISECブース展示の準備等に多大なるご支援を頂いたUNISEC事務局を始めとする関係者の方々に対し、深く感謝致します。
9. 参考
<第28回ISTS公式ホームページ> http://www.ists.or.jp/2011/
<展示会様子報告ブログ(2011年6月掲載)> http://unisonspace.blogspot.com/
<ブース展示協力団体> 愛知工科大学、大阪工業大学、大阪府立大学、九州大学、九州工業大学、京都大学、慶應義塾大学、CORE、首都大学東京、帝京大学、電気通信大学、東京大学、東京工業大学、東海大学、東北大学、日本大学、UNISEC事務局、横浜国立大学、和歌山大学