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<GSNプロトコルの構成>
GSN Protocolは, 地上局の機器を遠隔操作するためのプロトコルなど,いくつかのプロトコルから構成されている.ネットワークシステムの構成を表す際にOpen
Systems Interconnection (OSI) 参照モデルというものを用いられる事が多い.OSI参照モデルは,ネットワークを7つの層に分類したスタック構造として定義している.一方でInternetもこのOSI参照モデルを基準にしたTCP/IP参照モデルというもので表されることが多い.(OSI参照モデルなどを詳しく理解するためには,参考文献[1]などを参考にしていただきたい)
しかし,ここでは以下に示すような簡易モデルを用いてGSN Protocolを解説する.
GSN Protocol Model
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Data Format Layer
Data format of communication: Antenna control, radio control, etc... |
Ground Station Control Protocol (GSCP) |
Data Transfer Layer
Data transferring method: RPC, RMI, etc...
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Simple Object Access Protocol (SOAP) |
Infrastructure Layer
Communication medium
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Internet Infrastructure |
GSN Protocolを大きく3つの層に分類する.
データフォーマット層 |
実際にどのようなデータを扱うのかというデータフォーマットを表しており,GSN Protocolでは,アンテナの制御,無線機制御などに関する独自のGround
Station Control Protocol (GSCP)を開発している |
データ転送層 |
データ通信をする際にどのような方式で通信を行うかを表しており,GSN Protocolでは,汎用の転送プロトコルSimple Object Access Protocol (SOAP)[2]を採用する. |
インフラストラクチャー層 |
データ通信をする際の媒体を表しており,GSN Protocolでは,既存のインターネットインフラストラクチャーを用いる. |
つまり,GSNに参加する為には,地上局システムをインターネットに接続し,SOAPと呼ばれるデータ転送方式を利用してGSCPというデータフォーマットに従ったデータ通信を行えば,各種機器の遠隔操作ができるようになる.GSN
Protocolモデルと,TCP/IP参照モデルとの対応を以下に示す.
TCP/IP Reference Model
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GSN Protocol Model
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Application Layer
DNS, Telnet, Rlogin, FTP, SMTP, BootP
TFTP, SNMP, RIP, OSPF, EGP, BGP, etc.. |
Data Format Layer
Ground Station Control Protocol (GSCP) |
Data Transfer Layer
Infrastructure Layer
Internet Infrastructure |
Network Access Layer or Physical Layer
Ethernet, FDDI, Token Ring, etc...
(a coaxial cable, UTP, optical fiber, etc..) |
上図に示すように,
・インフラストラクチャー層は,ネットワークアクセス(物理)層およびネットワーク(ルーティング)層に位置している.
・データ転送層は,トランスポート(サービス)層および,アプリケーション層の下部に位置している.
・データフォーマット層は,アプリケーション層の上部に位置している.
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