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地上局ネットワークとは
通信チャンスを増やす
インターネットで遠隔制御
オープンアーキテクチャ
オープンなシステム


 <インターネットを用いた遠隔操作>

 地上局ネットワークを構成するに当たって一つの問題があります。
遠隔地の地上局同士が協力するに当たって、これまでは各地上局のスタッフが運用にあたる必要がありました。つまり、自局の希望による衛星の受信運用であっても、他局に協力するため受信運用であっても、運用時の作業量は変わりません。ターゲット衛星が限られており、協力局が少なければさほどでもありませんが、大規模なシステムであって、ユーザーも増えてくれば、協力のための運用の占める割合が増加し、運用者に対して大きな負担となります。

 この負担を軽減しない限り、そのようなネットワークに参加したいと考える局は少ないでしょう。そうなれば、数多くの地上局を持つ大規模なシステムへと発展させることは困難となります。地上局ネットワークを構成するに当たって、地上局間の協力を行う部分の大幅な自動化が必要となります。

 ところで、現在は、衛星通信を行う地上局において、パソコンを使って制御からデータ処理を行うことは、非常に一般的なこととなっています。例えば、WiSPなどのソフトウェアを用いることで、ほぼ全自動で衛星との通信を行うことが可能となっています。 一方、パソコン同士は、遠隔地であってもインターネットによって容易に、しかも安価に接続することが可能となっています。われわれの注目するポイントはここにあります。 インターネットを用いることによって、遠隔に無線設備を操作するシステムや、遠隔で取得したデータを転送するシステムを、非常に少ない労力で実現することができます。同時に、そのシステムは、さほど人間が関与しなくても、自動的に衛星との通信運用を行うことができるのです。われわれの地上局ネットワークにおいては、そのようなネットワーク技術を一つの核に置いています。

 われわれの目指すモデルは次のようなものです。

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ある運用者が、ある衛星の受信を行うことを考えます。
運用者の手元の端末から、ある衛星のパス上ある地上局を探し出し、それらの地上局に接続します。各地上局には、地上局ネットワーク用のコンピュータが用意されており、彼はそのコンピュータに接続することになります。それらのコンピュータは、おのおのの地上局の無線設備等に接続されており、自動的に衛星を追尾しダウンリンクされるデータを取得するようになっています。
運用者が、希望する衛星の受信を指示すれば、各地上局のコンピュータが自動的に衛星の追尾を行いデータを取得し、取得したデータをリアルタイムに運用者の手元の端末に転送します。仮に軌道一周分のパス全てのダウンリンクを受信しようとした場合でも、運用作業を行うのは遠隔の端末の前に座る運用者のみであり、他の全ての地上局のスタッフは自動で行われるコンピュータの動作を横目に見ていればよいだけなのです。一方、あたかも運用者はヴァーチャルな地上局を運用しているわけです。

このようなシステムを実現するために、われわれは当然ソフトウェアを開発する必要があります。しかし、われわれは単なるソフトウェアの開発を行い、協力者に対してそれを配布しようとしているわけではありません。
 同時に、そのようなシステムはプロフェッショナルな衛星業界では確立しており、実際の運用にも用いられています。しかし、われわれは決してそのようなシステムの二番煎じを目指しているわけでもないのです。




(C)2003 Ground Station Network