2014年度UNISON/UNISASイベント
文章作成
UNISON代表、各WG代表
目次
- 概要
- 各WG活動報告(1日目:26日)
- 衛星WG
- ロケットWG
- CanSat WG
- UNISON/UNISAS合同イベント
- 懇親会(1日目:26日)
- 代表者会議
- 各WG活動報告(2日目:8月27日)
- 広報WG
- 交流会WG
1. 概要
開催日: | 2014年7月26日(土)・27日(日) |
場所: | 東京大学 |
2. 各WG活動報告(1日目:26日)
2.1. 衛星WG
2.1.1. 第8回情報共有発表会
衛星WGでは、衛星開発団体同士での情報共有を活性化させ横のつながりを強化する為に、年3回(7月, 12月, 3月)発表会等といったイベントを企画・運営し開催しています。
今回は2014年度3月に実施した「第1回情報共有ディスカッション」で実施したアンケート結果を元に、発表テーマを「電源系の設計・試験の指針」と設定して発表会を実施しました。
発表会では、計2団体(日大, 九工大)から発表して頂きました。
発表後の質疑応答では、参加者からの質問・意見も多く参加者にとって有意義な時間になりました。
また、発表資料に関しては衛星WGで整備しているデータベース(wiki)にUploadして更なる情報共有を図る予定です。
2.1.2. パネルディスカッション(UNISEC×GPM)
発表会と併催する形で「UNISEC × GPM」と題したパネルディスカッションを実施しました。
ここでは、GPM相乗り団体のうち、筑波大(ITF-1)、多摩美大(INVADER)、阪府大(OPUSAT)から代表者の方をパネラーとしてお迎えし、衛星開発における失敗談に焦点を行い議論を交わしました。
衛星WGとしてこのようなパネルディスカッション形式のイベントを実施するのは初めてでしたが、参加者の方には好評頂けたようなので今後もこのような形式でのイベントを企画・運営していければと思っています。
2.1.3. ポスターセッション
年1回各団体の衛星プロジェクトや活動内容を紹介する目的でポスターセッションを実施しています。
今回は計10団体(九工大、九大、芝工大、首都大、創価大、筑波大、東海大、日大、阪府大、和歌山大)が参加して、参加者同士で意見を交換し合いました。
また、参加者1人1人に一番良いと思われる団体に投票して頂き最優秀ポスター賞を決定しました。
結果は、九州大学が1位、日本大学が2位となりました。
2.2. ロケットWG
今年度のロケットWGの方針を議論しました。
現状、10団体以上のロケット団体が所属しているUNISONですが、各団体それぞれロケット打上げの目的が「高度化重視」「缶ロケコラボ重視」「面白いミッション重視」「技術開発重視」「研究重視」等で異なります。
しかしロケット打上げという面において、いずれの実験も高圧ガスの使用等危険が伴います。
そこで、今年度のロケットWGは安全基準の統一を最重要項目として推し進めて行きたいと思います。
また、ロケットWGに加盟している団体は、北海道から九州まで日本全国に点在しております。
新規団体の増加につれ、全国で打上げ射場の開拓が進められると予想されます。
それについて、現状ある射場(能代、伊豆大島等)の情報を共有し、実験を行いやすい環境の整備を行う予定です。
ロケット打上げ実験の根底にある安全基準の統一について
- 安全審査書/基準書の改訂、完成
- ヒヤリハット/トラブル対応表の共有
- GSE/高圧ガスの取扱方法の確認
射場について
- 射場のデータベース化と共有
- 射場運営(能代宇宙イベント、伊豆大島射場)
2.2.1. 安全審査書/基準書の改訂、完成
能代宇宙イベントのハイブリッドロケット打上げ部門に参加する団体は、打ち上げるロケットの安全性(決められた落下範囲にロケットを落とせるかどうか)を示すための書類を事前に作成し、教員と学生から構成される「安全審査委員」の審査を受けています。
しかし、近年の参加団体の増加により審査側は負担が増加し、審査を受ける側は審査書類の書き方や与えられた審査項目の必要性をいまいち理解しきれていないことが問題に挙がっています。
そこで、審査書類を文書方式から一問一答方式に変更することや、審査項目を審査する理由や背景などを記載した基準書を作成します。
それに伴って審査項目の見直しや、一問一答方式では分からないような仕様を採用したロケットのために、仕様書のフォーマットづくりも進めていきます。
2.2.2. ヒヤリハット/トラブル対応表の共有
ロケットの製作や打上げにおいて、トラブルは必ず発生するものです。
大切なことは”トラブルの再発を防ぐこと”と”小さなトラブルを防ぐこと”であり、他団体の活動にも影響を与えるような大きなトラブルを防ぐことです。
そこで今年度は、トラブル対応(事例・原因・対策)やヒヤリハット事例(軽度と重度な事故も含む)を、ネットワークや報告会などを通して団体間で共有することになりました。
2.2.3. GSE/高圧ガスの取扱方法の確認
私たちはロケットを打ち上げるために必要な電装や高圧ガスのラインや装置を総称して、地上支援設備(GSE)と呼んでいます。
GSEは取扱いを一歩間違えると人を殺傷しうるレベルのトラブルを引き起こしますが、WG内で統一した管理方法は決めていません。
これは、GSEの仕様が団体によって異なるため、取扱い方法や組立手順などは各団体に任せているからです。
そこで、GSEの運用で最低限気を付けなければならないことや、GSEの物品で必ず用意をしなければならないものなどを各団体から吸い出し、統一をすることになりました。
また、年に数回の単位でGSE運用講習会を開催することも視野に入れています。
2.2.4. 射場のデータベース化と共有
ロケットWGの加盟団体の増加に伴い、射場開拓や射場使用に関する情報公開の声も多く挙がっています。
そこで昨年度から、各射場の環境や使用方法などの情報をデータベース化し、団体間で共有する取り組みを行なっています。
そこで今年度は、そのデータベースを踏まえて出た質問を吸い上げ、リアルタイムで編集・共有できるような仕組みを構築していくことになりました。
2.2.5. 射場運営(能代宇宙イベント、伊豆大島射場)
8月には秋田県能代市、11月と3月には伊豆大島に複数の団体を集めて、ロケットの打上げを行なっています。
今年度も例年通り、各射場において設備支援の運用、運営の人員配置、そして安全管理などを行なっていきます。
2.3. CanSat WG
2.3.1 概要
2014年度の総会において、CanSatWGは主に2つのイベントを午前と午後に分けて行った。
午前にはARLISSと能代宇宙イベントの連絡や諸注意、及びにコンペティションのルールや運営に関するディスカッションを行った。
午後にはCanSatの技術交流会を行った。
以下でそれぞれについて報告を行う。
2.3.2 ARLISSと能代宇宙イベントについて
まず初めに、今年度のCanSatWGの体制の変化について、WG代表の下に「ARLISS運営チーム」を組織しこれがARLISS運営の取りまとめを行っていくことを説明した。
次にARLISSのルールやコンペティションの変更点について運営から説明を行った。
ルールの変更は特に重要な、ロケット打ち上げ時におけるCanSat搭載無線機の制約の緩和と、地上局からのCanSatへのデータのアップリンクを許可するという、2点について強調して説明した。
また、コンペティションは今年度からカムバックコンペとミッションコンペのそれぞれについて、評価基準の異なる2つの賞を用意することにした。
ARLISSのルールやコンペの変化に伴って、参加チームからもゴール地点の工夫に関する提案などあった。
その後、ARLISS参加審査についての説明を運営の方から行った。
今年度は実機レビュー会を廃止し、「自己審査プログラム」という、書類ベースの審査を行うことにした。
それに伴って、レビュー会の名称と目的を改め「合同気球実験」を行うことにし、これに関する日程や場所、注意事項などの説明を行った。参加団体からは自己審査プログラムについて、なぜレビュー会が廃止になったのかということや、審査員の決定方法の質問が寄せられた。また、例えば耐振動性の評価といった、自己審査プログラム中で要求される試験事項の具体的な内容についての議論も運営と参加団体の方で行った。
ARLISSの安全管理についての説明では、運営チームの安全/ロジ担当から諸注意を行った。
ガイドブックの持参、4WDレンタカーの推奨、アマチュア無線購入の義務化、トラブル対策、帰着報告といった項目について注意があった。
その後はARLISSの現地での運営について、全員でディスカッションを行った。
最後に能代宇宙イベントについての連絡をロケットWGの馬さんから行ってもらった。
ARLISS同様能代宇宙イベントにおいてもWGの代表の下に「能代運営チーム」を組織し、能代宇宙イベント缶サット競技の運営を取りまとめて行う事を説明した。
ここでは事前の準備や全体のスケジュール、競技当日のタイムテーブルやレギュレーションについての確認を行った。
2.3.3 CanSat技術交流会
CanSat技術交流会は、まず始めに各団体が3分程度で開発中のCanSatのアピール行った。
各団体とも実際の機体やパワーポイントなど様々な方法を用いてミッションの魅力や機体の工夫を語っていた。
発表会が終わると、自由な交流会の時間となった。
機体だけでなく黒板やポスターも使って議論は白熱し、Fig. 2.3.3-1のように、各チームが活発に意見を交換し講義室を賑わせていた。

Fig. 2.3.3-1 技術交流会の様子。機体やポスター、黒板等を用いて活発な交流が行われた。
3. UNISON/UNISAS合同イベント
UNISECの学生団体である”UNISON”と、UNISONを卒業し現在社会人となっている”UNISAS”の交流会を行いました。
テーマは、「学生時代に経験した苦悩とその乗り越え方」。
今年はUNISONの活動をよりUNISASにより知って欲しいため、UNISON・UNISAS両サイドから講演する形式としました。
参加人数および講演内容は以下の通りです。
参加者:126名
発表(1) | UNISON | 馬 | PM失格 |
発表(2) | UNISAS | 山口 | 学生時代の経験と宇宙開発の現場で必要な技術について |
発表(3) | UNISON | 植松 | リソースの限られた開発 〜人・物・お金・時間のバランス〜 |
発表(4) | UNISAS | 稲川 | ロケットベンチャー企業での働き方 |
発表(5) | UNISAS | 吉川 | ARLISS 2006参加時の開発の流れとBlack Rock Desertで取得したデータ |
発表(6) | UNISON | 松井 | Balloon-Sat共同開発について |
発表(7) | UNISAS | 鶴田 | 私と超小型衛星のこれまでとこれから |
発表(8) | UNISON | 近藤 | Fabsat 〜衛星創りを楽しめる社会へ〜 |
発表(9) | UNISAS | 福原 | 学生の時のUNISEC関連の活動(能代CanSatプロジェクトマネジメント) |
各講演共に内容が濃く、非常に有意義で時間があっという間に過ぎました。
講演を経て、参加者の感想や意見をアンケートにまとめてあります。
4. 懇親会(1日目:26日)
UNISON/UNISAS合同イベント後は、学生・卒業生の総勢85名が集い、団体およびWGの枠を超えた交流が行われました。
5. 代表者会議
27日(日)の午前中は各団体の代表者を集めて代表者会議を行ないました。
最初にUNISON代表、各団体代表から自己紹介を行なってもらい、その後に各WG代表に2013年度WG活動報告と2014年度の活動計画を話していただきました。
次に、UNISON-Projectの2013年度報告と2014年度の活動案をUNISONプロジェクトのリーダに発表していただき、最後に予算案について全体で決をとりました。
予算案に関しては、満場一致で承認を頂きました。
6. 各WG活動報告(2日目:8月27日)
6.1. 広報WG
今年度の広報WGを交流会WGと共に行いました。
各団体の広報に興味がある人に集まってもらい、昨年度の活動報告、今年度の活動予定に関して議論しました。
特に、今年度の活動予定に関して深く議論を行いました。
まず、今年度の活動予定として決定している、<HPの運営>、<ブログリレー>、<学会発表>、<アウトリーチ活動(母校訪問プロジェクト)>に加え、広報WGとしてやってみたいことをブレインストーミングしました。
そして、実現可能性の有無などに分類し、自分たちでできそうなことから取り組んでみることになりました。
この広報WGを通じて、各団体に持ち帰ってもらった際に各団体での広報活動にも役立てるのではないかという意見も出て、とても有意義な議論となりました。
6.2. 交流会WG
今年度の交流会WGは広報WGと共に行いました。
はじめに昨年度の活動報告と今年度の活動予定内容(※アイデアソン・ハッカソン、講演会、システムズエンジニアリング講習会)について代表から報告をし、後半は交流会WGとして今後どのような活動を行っていきたいのかを集まった人たちでブレインストーミングを行いました。
話し合いの結果、今年度は「アイデアソン・ハッカソン」、「講演会・システムズエンジニアリング講習会」、「各種交流の機会を設ける」を行うことにし、担当者も決めました。
※アイデアソンとは特定のテーマについてグループ単位でアイデアを出し合い、それをまとめていく形式のイベント。
アイデア(Idea)とマラソン(Marathon) を合わせた造語ハッカソンとは同じテーマに興味を持った開発者が集まり、協議・協力しながら集中的にコーディングを行う催しのこと。
ハッカソンという言葉は、ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を組み合わせた造語。
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