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UNITEC-1プロジェクト報告会

作成者:田中泰平(慶應大SDM)

概要
2011年6月19日に慶應義塾大学にて開催されたUNITEC-1プロジェクト報告会についての報告を行います.

1. 目的

2010年5月21日に主衛星「あかつき(Planet-C)」の相乗り副衛星の1つとして,種子島宇宙センターよりH2Aロケットによって打ち上げられた,UNITEC-1プロジェクトに関しての総括を行うこと.
「しんえん(UNITEC-1)」に関する報告会を行うことにより,UNISECに技術・知識を蓄積し,UNISECの今後の発展の糧とすること,等を目的としました.

2. 日程・場所

日時:6月19日(土)11:00〜17:30
会場:慶應義塾大学 日吉キャンパス 協生館 CDFルーム

3. しんえん(UNITEC-1)について

UNITEC-1は全国22の大学研究室や高専を中心として,連合で開発された深宇宙衛星です. 大学衛星では,世界で初めて地球の重力圏を離れました.

4. プログラム

表1に当日の報告会の流れを示す.

表1 タイムスケジュール
01挨拶+UNITEC-1プロジェクト概要(5分)(東京大 中須賀先生)
02地域分散プロジェクトについて(発表10分+質問5分)(東京大 倉原様)
03現地取り付け作業について(10分)(愛知工科大 奥山先生)
各系報告(各発表15分+質問5分)
 04C&DH系(東京理科大 木村先生)
05通信系(鹿児島大 西尾先生)
06構造系(九大 大西様)
07熱系(北大 戸谷先生)
08電源系(AstreX 菊池様)
09コンペ及び検証コストについて(10分+質問5分)(九工大 趙先生)
UOBC報告(各発表10分+質問3分)
 10北海道工業大学
11東京理科大学
12高知工科大学
13東北大学
14電気通信大学
15慶應義塾大学
16PSLVについて(15分)(AstreX 菊池様)
地上局報告(各発表15分+質問5分)
 17地上局設備について(東北大 米山様)
18地上局設置・校正作業について(東京大 鶴田様)
19デコード結果について(電通大 中澤様)
20安全対策について(発表10分+質問5分)(産技高専 石川先生)
21プロジェクト総括(10分)(東京大 中須賀先生)

5. 報告会概要

UNITEC-1プロジェクトの概要説明から始まり,地域分散プロジェクトの課題と改善策に関しての報告があった. ここでは,情報共有の難しさ,ドキュメント管理の難しさが話題にあがった. 情報共有の方法は今後衛星開発を進めていくために,しっかりと考えていかないといけない分野であると再確認した.
次に,写真を交えながら,どのように衛星を取り付けたのか,という現地作業に関しての話があり,続いて,各系の報告に移った. 各系の報告は,どのような設計思想の下,どのような設計をしたのか,そしてどのような課題が今後あるか,ということを中心に行われた. また,実際に設計してみての苦労した点も様々に述べられた.地上試験の重要性を再確認した.
その後は地上局の報告があり,設計初期の段階から地上局のことを考慮すべきである,ということを指摘された.
最後に,プロジェクト総括では,UNITEC-1で培った失敗事例や技術,知識を,UNISECに蓄積し,今後のUNISECの発展につながる形で,活用していけるようにしよう,という話題があがった.

報告会風景
報告会風景

6. 最後に

UNITEC-1プロジェクトは,様々な研究室や企業の方々,多くのアマチュア無線家の方々や,たくさんのサポーターに支えられ,打ち上げまでたどり着くことができました. UNISECでは,UNITEC-1で得た知財を今後もしっかりと活用し,加盟団体同士で協力し合いながら,競い合い,発展していけるよう,日々精進して参ります.
今後も皆さまの変わらないご声援どうぞ宜しくお願い致します.