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下記にUNITEC-1の電波受信についての詳細を示します。
電波受信の際の参考にしてください。
通信仕様
Downlink Frequency | 5840.000MHz, band width 20MHz |
Transmission Power | 4.8W/antenna, 9.6W total |
Antenna | Microstrip patch antenna (x 2) |
Modulation | AFSK/FM 1200bps, CW 1bps |
Type | 10M0F2D |
打ち上げ日時:2010年5月21日06時58分22秒(JST)
ロケット:H-IIA17号機(PLANET-C用)
射場:種子島宇宙センター 大型ロケット第一射点
打ち上げ形態:PLANET-Cの相乗り衛星
UNITEC-1分離
分離時刻(リフトオフ後秒時) | 2878.037 sec |
慣性速度 | 8867.8 m/s |
慣性速度飛行上下角(El) | 48.112 deg |
慣性速度飛行方位角(Az) | 99.108 deg |
高度 | 6854.304 km |
慣性座標系位置X成分 | 3760406 m |
慣性座標系位置Y成分 | -10780996 m |
慣性座標系位置Z成分 | -6677030 m |
慣性座標系速度X成分 | 7241 m/s |
慣性座標系速度Y成分 | -3008.7 m/s |
慣性座標系速度Z成分 | -4141.6 m/s |
(位置、速度(慣性座標系)の定義)
原点:地球中心
X軸:ノミナルリフトオフ時刻のグリニッジを含む子午線と赤道の交点方向
Y軸:右手系(赤道面内)
Z軸:北極方向
≪上段≫
【UNITEC-1からの5840.000MHz RF信号】
≪下段≫
【Output 435MHz IF信号】
アンテナサイズを、大まかに直径10m以下の小口径、10m以上の大口径に分類した。 小口径のアンテナ3基、大口径のアンテナ3基について本プロジェクトでは整備を行った。 本来の用途はアンテナによって異なるため、制御システムや精度等はそれぞれの地上局において異なる。 詳細についてはここでは記述しない。
本プロジェクトでは、C-band 5840MHzの信号を435MHzに周波数変換するダウンコンバータを用意した。 以下は、Signal Generator(SG)で発生させた−60dBmの5840MHz信号を入力した場合の、Kuhne社製ダウンコンバータ+フィルタ(ダイプレクサ)からの出力信号である。
基準周波数は5840.000MHzである。
ただし、UNITEC-1に搭載された通信機の特性として、温度による送信周波数の変動が確認されている。
40分間で、大きいときには3.5kHz程度の変動が観測された。受信機は、この変動を許容できるものが要求される。
ダウンリンクデータの大半の部分は1bpsのCW信号である。 ここでいう1bpsのCW信号とは、5.84GHzの信号を1秒間隔でON/OFFすることで1と0を表現するというものである。
変調方式AFSK/FM、1200bpsのデータ信号が上述の1bpsCWの合間に挿入される。
設計指針として、AFSK/FM信号のダウンリンクデータ内での配分は少なくしている。
これは、CWと比べてAFSK/FM信号は地上での受信電力比が小さいためである。
通信は“メジャーサイクル”と定義した一連のデータ送信を繰り返し行う。
一回のメジャーサイクルには6時間かかる。メジャーサイクルの構成は表3の通りである。
実際に衛星からデータが送信されるのは表において【送信】と書かれてある時間帯である。
大学コンピュータ生き残りコンペの時間帯では、UNITEC-1搭載のメインコンピュータが各大学の開発したコンピュータに対して指令をおくり、それぞれが正常に動作しているかどうかの確認試験を行う。
その結果が【送信】の“メジャー通信”時に地上へ送信される。
スタート時刻 [秒] | 状態 | 持続時間 [秒] |
---|---|---|
0 | (待機) | 600 |
600(0:10:00) | 【送信】軌道推定通信(1回目) | 120 |
720(0:12:00) | (待機) | 3480 |
4200(1:10:00) | 【送信】軌道推定通信(2回目) | 120 |
4320(1:12:00) | (待機) | 3480 |
7800(2:10:00) | 【送信】メジャー通信 | 2461 |
10261(2:51:01) | (待機) | 1176 |
11437(3:10:37) | 【送信】軌道推定通信(3回目) | 120 |
11557(3:12:37) | (待機) | 3480 |
15037(4:10:37) | 【送信】軌道推定通信(4回目) | 120 |
15157(4:12:37) | (待機) | 3480 |
18637(5:10:37) | 【送信】マイナー通信 | 2056 |
20693(5:44:53) | (待機) | 1056 |
21749(6:02:29) | End | - |
(軌道推定通信)
「1」を120回送信する。つまり120秒間一定出力の電波が送信され続ける。
軌道推定のために必要なデータ(電波到来方向、ドップラ周波数)を地上局で取得するための運用に利用される。
(メジャー通信)
ハウスキーピングデータ、サイエンスデータなどを含む通信である。
通信内容は表4の通りである。各大学のコンピュータからのデータはAFSK/FMにより送信を行う。
ハウスキーピングデータ、サイエンスデータ、各大学のコンピュータテスト結果、各大学コンピュータからのデータ詳細については、Web上で随時公開していく。
開始時刻[秒] | 通信内容 | データ | 持続時間 [秒] | |
---|---|---|---|---|
0 | プリアンブル (「1」を64回送信) | 11111111111111111111 1111111111……111 | 64 | |
64 | 同期信号 (「1」連続送信のあいまに「0」をはさむ。 「0」の送信回数は最初は1回で、2回、3回…、と5回まで増やす。) | 11111111011111111001 11111110001111111100 00111111110000011111 111 | 56 | |
120 | MOBCデータ送信 (1回目) | ハウスキーピングデータ | 8bit×10データ | 400 |
サイエンスデータ | 8bit×16データ | |||
UOBCテスト結果 | 32bit×6大学 | |||
520 | MOBCデータ送信 (2回目) | ハウスキーピングデータ | 8bit×10データ | 400 |
サイエンスデータ | 8bit×16データ | |||
UOBCテスト結果 | 32bit×6大学 | |||
920 | 冗長送信間の間隔(CW) | 111111111111.........111 | 48 | |
968 | MOBCデータ送信 (3回目) | ハウスキーピングデータ | 8bit×10データ | 400 |
サイエンスデータ | 8bit×16データ | |||
UOBCテスト結果 | 32bit×6大学 | |||
1368 | 冗長送信間の間隔(CW) | 111111111111.........111 | 96 | |
1464 | MOBCデータ送信 (4回目) | ハウスキーピングデータ | 8bit×10データ | 400 |
サイエンスデータ | 8bit×16データ | |||
UOBCテスト結果 | 32bit×6大学 | |||
1864 | 待機 | 61 | ||
1925 | UOBCのパケット情報(1回目) | AFSK/FM 132packet | 536 | |
UOBCのパケット情報(2回目) | AFSK/FM 132packet | |||
非同期化パケット | ブランク 6packet | |||
UOBCのパケット情報(3回目) | AFSK/FM 132packet | |||
非同期化パケット | ブランク 12packet | |||
UOBCのパケット情報(4回目) | AFSK/FM 132packet | |||
2461 | End | ― |
(マイナー通信)
メジャー通信と同様にハウスキーピングデータ、サイエンスデータなどを含む通信である。
ただし各大学のコンピュータからのデータは含まず、AFSK/FM送信も行わない。
通信内容は以下の通りである。
開始時刻[秒] | 通信内容 | データ | 持続時間 [秒] | |
---|---|---|---|---|
0 | プリアンブル (「1」を64回送信) | 11111111111111111111 11111111111111111111 11111111111111111 | 64 | |
64 | 同期信号 (「1」連続送信のあいまに「0」をはさむ。 「0」の送信回数は最初は1回で、2回、3回…、と5回まで増やす。) | 11111111011111111001 11111110001111111100 00111111110000011111 111 | 56 | |
120 | MOBCデータ送信 (1回目) | ハウスキーピングデータ | 8bit×20データ | 448 |
サイエンスデータ | 8bit×36データ | |||
UOBCテスト結果 | 8bit×6大学 | |||
568 | MOBCデータ送信 (2回目) | ハウスキーピングデータ | 8bit×20データ | 448 |
サイエンスデータ | 8bit×36データ | |||
UOBCテスト結果 | 8bit×6大学 | |||
1016 | 非同期化フレーム(CW) | 111111111111........11111 | 48 | |
1064 | MOBCデータ送信 (3回目) | ハウスキーピングデータ | 8bit×20データ | 448 |
サイエンスデータ | 8bit×36データ | |||
UOBCテスト結果 | 8bit×6大学 | |||
1512 | 非同期化フレーム(CW) | 111111111111........11111 | 96 | |
1608 | MOBCデータ送信 (4回目) | ハウスキーピングデータ | 8bit×10データ | 448 |
サイエンスデータ | 8bit×16データ | |||
UOBCテスト結果 | 32bit×6大学 | |||
2056 | End | ― |
受信機からの出力はAF信号(WAVファイル)として記録し、必要に応じて変換した後、Spectran V2を用いてテキストデータを得る。
デコードソフトウェアは現在開発中である。
開発が完了しだい公開する。
UNITEC-1の追尾に必要となる軌道情報は、以下の7地点について軌道計算したものをUNITEC-1公式Webサイトで公開する。
公開する軌道情報は、打ち上げ後の観測結果を用いて再計算し更新する予定である。
また、任意の位置情報を入力すると軌道情報が得られる軌道解析ソフトウェアをUNITEC-1公式Webサイトで公開する。
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