HomeUNISECUNISONについて2012年度 学生代表

金井 竜一朗

金井 竜一朗 さん

所属:北海道大学 宇宙環境システム工学研究室 修士1年

1.学生理事を希望する理由

私が学生代表に立候補する理由を一言でまとめると,「お互いを利用して技術向上していく環境」を作りたいからです.
UNISECの活動は10年を超え,大学共同でのロケットや衛星の製作,ロケットとCanSatとのコラボレーションといった活動はかなり定着したように思います.
多数の団体が集まっているという利点を生かした活動の素地,実績は十分であるということです.
今まで10年間でパイオニア達が作り上げてくれたこの実績を生かして,さらに積極的な技術向上に繋げていきたいと考えています.

各団体は独自にプロジェクトを推進していますが,その中で技術的な困難にぶつかった時に他の団体はどうしているのだろうと考える場面が出てくると思います(私はありました).
また他団体との技術交流を通じて自分の団体で自慢したい部分があったり逆に他団体の技術から新しい発見があったりすると思います.
他団体の技術は積極的に取り入れて,逆に自分の団体が持つ技術はいわば“輸出”することで交流を通じて技術を向上することが出来ると思います.
鳥人間や学生フォーミュラなどといった,他の工学系学生活動とUNISECの活動で違う点は,競争して相手に勝つことが最優先ではない,ということです.
その環境下の技術交流はやはり共同開発が一番であると考えます.
とはいっても,各団体間でいい意味での対抗意識もあると思うので,自分の団体が持つ技術をどこまでオープンにするのか議論する,逆にオープンにされていない技術をリバースエンジニアリングで解析するといった駆け引きもあるはずです.
それも含めて大学共同の開発プロジェクトを盛り上げて行きたい.
これが“ロケット同士,衛星同士の利用促進”です.

各団体では衛星,CanSat,ロケットが開発されていますが,その目的がしっかり明確化されていなければモチベーションは下がります.
本来ロケットの開発は衛星を輸送したいという要求から始まるはずです.
そして衛星の開発はミッションを遂行したいという要求から始まります.
その原点に立ち返り,ミッション発案者は衛星屋さんやCanSat屋さんを利用し,衛星屋さんやCanSat屋さんはロケット屋さんを利用する,そういった活動の活発化が日本の宇宙開発推進,ひいては宇宙を利用したよりよい社会の形成に繋がると考えます.
宇宙開発に縁のない方がミッション発案者となり,実際に成果を手に入れることができればこの上ないアウトリーチ活動にもなります.
それぞれ別々の分野にいる方々が目的達成のために衛星を,CanSatを,ロケットを使う,その選択を誰もが進んで行うような環境を作り上げて行きたい.
これが“異分野間の利用促進”です.

大学共同で開発をすること,もしくはCanSatを他団体のロケットに載せること,それ自体は手段であって目的ではありません.
各手段を選ぶことのメリットが増えれば,必要に駆られて自然と相互利用は進むと考えます.
相互利用のためのメリットを増やしデメリットを減らす,その結果どの団体も,さらにはUNISEC外の方々も得をする,そんな環境にもっと近づけたい.
その希望を元にして学生代表として尽力したいと思います.

2.学生理事になって実現したいこと

  • “ロケット同士,衛星同士の利用促進”のために
    幅広い共同開発プロジェクト
    更なる共同開発を通じて互いの技術向上を図りたいと思っています.
    それぞれの団体が持つ得意分野を生かし,各担当箇所に対して名乗りを上げてもらいたいと思います.
    共同開発は最低2団体あれば可能です.
    大規模開発に限らず,そして能代宇宙イベントに限らないことで,開発及び打ち上げの機会が増えればと思っています.
    具体的には射場の斡旋,共同開発の呼びかけと実施,予算やミッションの手配を行いたいと考えています.
  • “異分野間の利用促進”のために
    ロケットに対するペイロードの要求の明確化
    ロケットにCanSat,もしくはオープンクラス衛星を搭載するにあたって,衛星開発者からロケットに対しての性能要求及びインターフェイスへの要求を出し尽くして欲しいと考えています.
    その要求に対してロケット開発者とすりあわせを行うことで,よりペイロード寄りのロケット開発が出来ると思います.
    最終目標としては,衛星を開発した時にどの団体のロケットでも打ち上げられるような環境を作りたいと考えています.
    UNISEC外へのミッション提案
    UNISEC外部の人に対して,UNISEC内各団体の持つ技術でこういったミッションができますよ,という提案を行っていこうと考えています.
    いわばUNISEC外部への営業活動です.
    例えば母校訪問プロジェクトを発展させていく形で,将来のUNISEC会員である生徒児童からミッションを募集し,話がある程度まとまった段階でUNISONプロジェクトにする,などといったプランを実行できればと思っています.
  • どちらの利用促進にも共通する事項として
    各モジュールの規格化
    予めロケットやCanSatのモジュール化,さらにはモジュールの規格化がなされていれば,共同開発やペイロードの開発をするにあたってインターフェイスなどをすり合わせて一から設計する手間がなくなります.
    モジュール化できる部分は規模ごとに規格を統一し,開発の分担やロケットへのペイロード搭載のハードルを下げたいと思います.

3.自己アピール

今私は,昔からの憧れであった宇宙開発の道を進んでいる所です.
テレビや本,インターネットの中だけで拝見していた方々とはいつしか話をさせて頂くのが当たり前になり,今年度からは実際にロケットを開発する立場にもなり,いい意味でも悪い意味でも宇宙開発に「慣れて」きてしまっている自分がいます.
自分は宇宙開発にわくわくする心を原動力に動いているので,この辺りで今一度わくわくを補充して,さらなる活動のモチベーションにしたいと思っています.
「技術向上」を最初に掲げさせていただいたのも,各団体が持つ技術の結集によって,また団体個別の技術向上によって,今以上にわくわくする,面白い,すごいモノが生み出されるのを見たいからです.
ロケットに対する情熱は(UNISEC会員の皆様を前にこう書くのは非常に気が引けるのですが,それでも) 人一倍強いと自負しています.
宇宙開発の発展に学生代表として貢献できる機会があるならば,こんなに光栄なことはありません.
色々とご不便を強いることもあるかもしれませんが,精一杯できる限りのことをさせて頂く所存ですのでどうぞよろしくお願い致します.


滝澤 潤一

滝澤 潤一 さん

所属:東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 中須賀研究室

1.学生理事を希望する理由

UNISONという組織の存在理由は志を同じくする団体が多数集まることで1つの団体だけでは決して達成できない目的を達成することだと思います。
今回私が学生理事を希望した理由はこのUNISONの目的を達成するために積極的に行動したいと考えたからです。

私は学部のころから超小型衛星の開発を行っている研究室に所属し衛星の開発に携わってきました。
今回の学生代表は昨年と同様、衛星、ロケット、CanSatのそれぞれの枠から1名、計3名の構成となっていて、私はその中の衛星枠として代表になりました。
衛星の側からUNISONを見ると、各団体が活発に開発を進めており、すでに10を超える数の衛星が打ち上げられ、今後も続々と打ち上げが予定されています。
多くの団体が独自に衛星を開発できる技術を持った今、これらの団体が集うUNISONで何ができるのかを考え、その実現に向けて全体を牽引していきたいと考えています。

2.学生理事になって実現したいこと

2.1. UNISON長期ビジョンの策定
衛星の開発を筆頭に、UNISON団体の関わるプロジェクトは多くの場合、開始から終了までに年単位の期間がかかります。
一方で私たち学生が構成する団体は入学、卒業等で年ごとに人員が大きく入れ替わります。
UNISONを取りまとめる学生代表すら年単位で入れ替わりです。
企業と違い人員を保てない学生団体にとって長期にわたるプロジェクトの運営は大きな課題です。
UNISONとしてプロジェクトを行う場合、その期間は数年にわたることが容易に予想されます。
これを成功させるためにはまず長期にわたる指針を定め、これを全体で共有する必要があると考えます。
代表として各団体を取りまとめ、UNISONが今後何をプロジェクトとし、それをどのように進めていくのか、明確なビジョンを示したいと考えています。
2.2. 団体間共同開発に向けた基盤生成
UNISONとして何かを行う場合、当然その実行には多数の団体が関与することとなります。
今までUNISONで報告されてきたプロジェクトの大半は各団体で独自に行われたものであり複数団体が関与したプロジェクトというのは少数です。
UNISONとしてのプロジェクトを成功させるためには団体間共同開発をスムーズに行うための基礎を構築する必要があると考えます。
特に衛星団体としてはUNISONとして共同での衛星開発が考えられます。
これについて以下のような形でその下地を作ることを考えています。

UNITEC-1からの知識回収
衛星側でのUNISONとしてのプロジェクトとしてはUNITEC-1があります。
しかしこのプロジェクトの結果は失敗でした。
UNITEC-1の報告会では共同開発の難しさも多く指摘されていたと記憶しています。
仮にUNISONとして衛星開発を行う場合、UNITEC-1と同じ失敗の繰り返しは許されません。
そういう意味で私たちはすでに後がない立場に立っていることになります。
同じ失敗を繰り返さないためには、まず何が問題だったのかをきちんと整理し共有する必要があります。
UNITEC-1はすでに打ち上げから3年が経過し情報の風化が進んでいます。
共同開発を行う前にまずUNISONとしてUNITEC-1からの知識回収を行いたいと考えています。
UNISON CanSatの作成
今までCanSatプロジェクトは「衛星開発経験の無い団体が衛星開発を行う前に経験を積む場」としての位置づけでした。
今後のUNISONとしてのプロジェクトを実施する下地作りとしてUNISON CanSatを作成することで、CanSatプロジェクトを「共同開発経験のないUNISONが共同開発を行う前に経験を積む場」として利用できないかと考えています。
複数団体共同でCanSatの作成を行うことで共同開発のノウハウを蓄積し、続く本番の共同開発へのスムーズな移行を目指します。
2.3. 衛星-ロケット間の協調
同じUNIOSNに所属しているにも関わらずこれまで衛星とロケット両陣営の協力というのは積極的に行われてきませんでした。
それぞれの独立性が高く、相互に距離感があることがその原因ではないかと感じています。
ロケットはペイロードを運搬することがその使命であり、衛星はロケットに対応できる設計が必須要件です。
衛星とロケット両団体が協力することで双方にとって利益のある関係を築けると思います。
今年いきなり全てを整備してUNISONのロケットでUNISONのCanSatを打ち上げるというのは難しいかもしれません。
しかし将来を見据えてできるところから準備を始めていきたいと考えています。
衛星、ロケット、CanSatのそれぞれの分野から選ばれた3代表を中心に具体案を提示していきたいと思います。

3.自己アピール

中学卒業後、高専に入り5年間高専ロボコンに参加していました。
ここでものを作って動かすことに味を占め、ちょうど入試の時期に大学で衛星を作っている研究室があることを知り、子供のころから空や宇宙が好きだったこともあってその両方に関われるならと編入学しました。
その後、大学ロボコンも経て研究室に所属し今に至ります。
UNISECに加わってほぼ3年ですが、この間常に多くの人から刺激をもらい活動することが出来ました。
UNISECでこれまで出会った方々は非常に活発でこれはなかなか難しいと思うのですが、今回は学生代表として逆に多くの人に刺激を与えることを目指して活発に活動していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。


杉村 悠太

杉本 悠太 さん

所属:電気通信大学 電気通信学部 人間コミュニケーション学科3年

1.学生理事を希望する理由

私が学生理事に立候補する理由は,大規模な組織の中で面白そうなことを企画・実現したいという気持ちがあるためです.
UNISONという組織の中で新しい活動をするためには,UNISONに加盟するすべての人と協力していく必要があると考えています.
現在,UNISON内の主な活動はロケット,衛星,CanSatの3つに分かれており,それぞれの枠の中で加盟団体が独自にプロジェクトを推進するという形になっているのが現状です.
3つの部門が一堂に会する機会は限られており,技術交流等を行っていくには,まず加盟団体間のつながりを強くしていく必要があります.
部門内はもちろん,3つの部門間のつながりに対しても言えることです.
さらにUNISONの活動を工学系の分野に止めることなく広めていくためには,工学系以外とのつながりも必要です.
UNISON内外の活動を活発にしていくために,つながりを大切にしていきたいと考えています.

今年,私はARLISSカムバックコンペティションに参加しました.
アメリカで行われる本番は国際大会ということで,どんな国の人が参加するのか非常に楽しみにしていました.
しかし現地についてみると,海外から参加する予定の7団体が直前にキャンセルしたということで,参加団体は2カ国からしかありませんでした.
アメリカで実証実験をするチャンスは限られています.
ARLISSに限れば,その機会は年に一度しかありません.
その限られた機会に,特定の地域からしか参加がなかったことを残念に感じました.
人工衛星に関しては,2010年の“はやぶさ帰還”によって日本の宇宙開発技術が特に注目されていると思います.
そこで今こそ日本の宇宙開発技術,日本の大学生のローバー開発技術を世界に向けて発信していくチャンスだと考えています.
ARLISSを含むUNISONの活動に海外から多くの団体を呼び込むためには,互いに協力してUNISON全体として積極的に働きかけていく必要があると考えます.

UNISONに加盟する組織間のつながりを強くし,活動を広めるために尽力したいという気持ちから,学生理事に立候補することを決意しました.

2.学生理事になって実現したいこと

○ARLISSの国際化
世界の国々から多くのチームがARLISSに参加できる環境を整えたいと思います.
今年度はヨーロッパ・アフリカ・南米・アジアの8カ国から前向きな返事をもらいながらも,予算等の都合で最終的な参加は2カ国に止まりました.
世界に向けて積極的に発信していくことはもちろん,直前にどのような点が問題になったのかを調べ,海外からも参加しやすくなるような土壌を着実に作っていく活動をしていきたいと考えています.
○ARLISS参加団体間のつながりを築く
ARLISSに参加しているチームにはそれぞれのバックグラウンドがあります.
衛星・Cansatの2部門があり,その中には宇宙工学系からのチームもあれば,私のように宇宙とあまり関わりのない工学系からのチームもあります.
それゆえ,チームの特徴がローバーや衛星に如実に現れます.
一見しただけでは,どのような機構があり,それがどのように機能するのかわからないということは多々あります.
そういう点について情報を交換しようとしても、国内予選とアメリカでの実証実験という限られた機会では満足に出来ず,チーム内で技術開発するしかないというのが現状だと思います.
情報を共有してより多くのチームが本番で目標を達成できるよう,参加団体間の交流を促すような活動をしていきたいと考えています.
○衛星とロケットのつながりを築く
私自身は今までローバー開発にしか関わったことがありませんでした.
ARLISSにおける衛星開発では,ロケットに積み込むためにキャリア径を考慮した設計をする必要があります.
またロケットによってどのように打ち上げられるかを知ることも重要です.
一方,ロケット側の視点に立つと,本来ロケットは何かを運ぶために開発されるもので,単に打ち上げることが目的ではありません.
何を輸送するために開発するかを明確にすることが重要と言えます.
そこで,衛星とロケットがそれぞれ独立して活動するのではなく,互いに情報・要求を共有してコラボできるような活動を企画していきたいと考えています.
○工学以外とのつながりを築く
工学系の学部に所属していると,技術開発は確かに進んでいるがそれを何に実用するか,どのような場面で必要とされているかが明確でないと感じることがあります.
他分野の人が必要とするものは,例えば文献の文章からCGをシミュレートできるシステムや,救急治療室の状況をリアルタイムかつ正確に知るシステムなどがあります.
人の数だけ必要とされる技術があると言っても過言ではありません.
普段関わることがない分野の人と議論してみると,思わぬ発見や新たな視点を得られることがあると思います.
そこで,あらゆる分野の人との交流を促す機会を企画・運営していきたいと考えています.

学生代表をするにあたっての意気込み

私がUNISONに入ったのは今年の4月.加盟暦約9ヶ月とかなり短いかもしれません.
しかしこの短期間にARLISSをさらに国際化したいという強い思いを持つようになりました.
UNISONでの経験はほぼ無いにも関わらず,やりたいことを実現させる!という思いで立候補しました.
私がARLISSを国際化したいと考えるようになったこと,UNISONの代表に立候補したこと,そもそもARLISSに参加したこと,これらはすべて人との出会いがあったからだと考えています.
代表として活動していく中で,人との出会いを大切にし,UNISONの仲間とお互いに高めあっていけるような活動をしていきたいと思いますので,宜しくお願い致します.