2007年度 学生代表


小林さやか |堤 明正
kobayashi sayaka

小林 さやか さん

所属:秋田大学
学部三年次

1.UNISEC学生理事に立候補した理由

UNISECの学生の活躍には様々な分野で目覚しいものがあります。私と同じ学部生にもモチベーションの高い学生が沢山いることを感じています。このたびの立候補にあたり『原則、修士以上の学生が立候補する。』ということでしたが、学部生が頑張っている中で私自身にも行えることがあるのではないかと考え立候補させていただきました。私自身が学部3年生ということで賛同できない方もいらっしゃると思いますが、共感していただける方も多いのではないかと信じています。
私がUNISECの会員としての活動を意識するきっかけとなったのは、UNISECの学生が運営していた能代宇宙イベントへの参加でした。大学に入って間もない私は、模擬衛星の制御実験やハイブリッドロケットを打ち上げる姿を見て「こんなにすごいことを私と同じ大学生が行っているなんて信じられない!」と驚きでいっぱいでした。私はそれをきっかけに2005年の秋、秋田大学学生宇宙プロジェクトの魁となったハイブリットロケットチームをメンバーともに作りプロジェクト活動を行ってきました。宇宙工学という世界に一歩踏み出してみると、UNISECの先輩方が惜しまずに色々な情報を提供してくれ、秋田大学も2005年には缶サット競技への参加・昨年2006年夏の能代イベントではロケット打ち上げにこぎ付けることが出来ました。こうした活動が活発化していることはUNISECでネットワーク作りに尽力されている方々の成果の賜物です。 私自身ワークショップにも参加させていただき、たくさんの学生に出会い・議論しあい、そして夢に向かって進む姿を間近にみて、「こんな学生達の手助けをしたい。そしてこの輪をもっともっと広げたい。そのためにはどうしたらいいのだろう。」そう考えるようになりました。
私が加盟した2005年、UNISECには勢いを感じました。北大・首都大・東海大学のロケットの打ち上げが行われ、学生の手作り衛星も宇宙へと送り出されています。衛星製作を行う大学数の拡大も見えました。そして現在も年々大学数が増えてきています。その勢いを受け継ぐようなことがしたいと思い立候補しました。皆さんと共にUNISECの更なる協力体制を築けていけたらと思っています。

2.学生理事になって実現したいこと

■国内外の学生交流の更なる促進
これまでUNISECの先輩方が尽力された功績で現在では沢山のネットワークが完成しています。総会・ワークショップ等により各大学研究室・団体間の友人関係が育てられ、これにより文型理系問わず可能性が大幅に広がっていることは肌に感じています。このような継続的な活動が、学生による宇宙開発の基盤づくりに大きな役割を果たしてきたと考えています。今後も学生ひとりひとりのアイディアや意見を取りいれた行事として行っていくべきだと考えています。
また今後は国内の学生のネットワークの維持拡大を基盤に、国際的な視野に立ち、国外の学生とも技術交流などを発展させていくことが必要ではないかと思います。最近、2008年に韓国が予定しているロケット打ち上げについて日本との協議が遅れ、ロケットの飛行経路や安全対策などの情報が日本へ届かないという状態があったように、アジアには現在ESAやNASAに並ぶような確固たる協力体制がありません。もし日本と韓国の間に沢山の深い友人関係があったとしたら、起こりえなかったことだと思います。この課題は私達学生に残された課題であるのではないでしょうか。私は学生との、特にアジア圏での交流を目標とした交流会を国内外で年に数回行い、学生間のネットワークの構築を行っていきたいと思います。自身が学生ではなくなったとき、その友人に何年も会わなくても『あの国にはUNISECの学生の時に話した○○さんがいて、今日も宇宙開発を頑張っているんだ。』と思えるのは素敵なことだと思いませんか。私は、学生の時に会話し、議論し、同じ体験を共にすることで、今後数10年に渡る宇宙開発を担うアジア各国の学生同士の協力体制を確立し、更なる成長の手助けとなる機会を設けて行きたいと考えています。

■部品の流通と情報ネットワークの整備
衛星製作やロケット製作で必要不可欠なのが素材の入手です。学生ロケットの部品は海外発注のものが多く、入手には時間とコストが多くかかっています。これは衛星製作にも似た現状があります。電子部品の購入には、特に地方の大学ではネット販売では購入できるものに限りがあり、電子部品の購入に多大な労力と時間がかかるのが現状です。そこで情報交換の場としてのHP上やメールなどを利用した流通ネットワークの形成を行いたいと考えています。それに伴い学生間で、知識に加え、共に製作を行うことでしか受け継ぐことの出来ない技術や経験などといった暗黙知の継承を団体間でも行えるよう整備も行っていけたらと考えています。多くの仲間と夢や情報を共有するとともに、団体間で技術面でも協力し競い合い、切磋琢磨していくフィールドを作っていきたいと考えています。

■UNISEC内外への情報発信
予算不足の解決も課題として残っています。これを解決する手段としてUNISECの市場価値を更に高めることが重要だと考えています。外部へのアピールをより活発化させ、HPなど受動的な発信からメディアへの呼びかけなど能動的な広報活動へ、より広げたアウトリーチ活動を行って行きたいと思います。UNISECから外部への情報発信やアウトリーチ活動を通じて、宇宙分野のイノベーションを行ないたいと思っています。

■学生ロケットの安全基準の整備
ロケットの打ち上げを行う団体が増えてきていますが、それに伴い打ち上げ実験を行える体制が大樹町や能代などで整いつつあります。私は、更なる学生ロケットの拡大と、ロケットからの缶サット放出を確実に行えるよう整備を行なっていきたいと考えていますが、安全基準についての整備はこれまで叫ばれつつも、未だ不十分なのが現状です。そのために総合的な安全基準の整備が必要不可欠だと考えています。ガイドラインを学生の意見を上げながら早急に作成し、安定した打ち上げ実験の体制を整えたいと思います。

■学生ロケット射場の開拓
現在、学生ロケットの射場としているのは北海道の大樹町・秋田の能代ですが、これらの施設はUNISECの支援や学生達の努力により学生が恒常的に使用していけるものになっています。私自身、能代の射場に隣接するJAXA能代多目的試験場でのハイブリッドエンジン燃焼実験の責任者として共同実験に参加し、学生の手による宇宙開発の喜びを感じました。このような施設の増加が、学生の手による宇宙開発には必要だと考えています。
高高度ロケットの射場開拓を目標に、まずは低高度の射点の開拓と周辺整備を行い、その場所の利用拡大を学生の手で図りたいと考えています。全国には打ち上げることの出来る可能性を秘めた土地がありますが、今までその情報は打ち上げを行う団体数も少なかったために他の団体に知られることはありませんでした。例えば、打ち上げ実験を行っている大阪府立大学の射場なども開発の余地があるのではないでしょうか。大樹町・能代に続き、需要が増えると予想される関西圏・関東圏に最低一つずつの低高度ロケットの射場を見つけたいと思っています。さらには学生ロケットを多く飛ばすことで、缶サット放出の機会が増やすことができると考えています。

■手作り衛星、新天地の開拓
私がUNISECに加盟した当初の2005年、ハイブリッドロケットを打ち上げている学生団体は2大学のみでした。しかし、現在では秋田大学・筑波大学と徐々に学生ロケットの活動の輪が広がっています。既に数回のロケット打ち上げ実績を持つ東海大学、昨年の能代宇宙イベントでハイブリッドロケットの打ち上げを成功させた筑波大学、秋田大学、そして今後打ち上げられる予定である大阪府立大学のCEESロケット・兵庫県立大の非燃焼型ロケット、そして九州大学の大型モデルロケットなどです。不足した技術を他団体が補うことで、これまで数度の共同実験を成功させることが出来たのだと考えています。学生のロケットのネットワークの素晴らしい点は、各大学に技術協力の体制が築かれ常に新鮮味のある提案が成されている事です。ランチャーの共同利用などによる射場整備・技術協力などの打ち上げ体制が整ったことは、UNISECという土壌が生み出した大きなネットワークの成果だと思います。様々な技術が取り入れられるこのナイスな交流関係を、衛星のネットワークにも転用していきたいと思います。
毎年UNISECでは、能代宇宙イベントでカムバックコンペディション・ローバーコンペディションがARLISSの選考を兼ねて行われています。衛星を製作する分野では、缶サットや衛星の情報がHP上で広く公開されたことなどにより手作り衛星の分野への参入が増えました。しかし、そうした基盤の安定化に伴い、新鮮味が失われているようにも思います。そこで、私が理事になり行いたいと考えているのは、カムバックとは違った形の模擬衛星製作の輪を作っていくことです。現在、岩手県の大船渡にはJAXAの実験施設があります。例年高度30kmへバルーンを浮かべ実験を行っていますが、この施設は今年度で廃止され利用されなくなります。ここでは学生が製作した模擬衛星を数十kmまで上昇させ様々な実験競技を行う可能性を秘めています。カムバック競技だけでなく、カメラなどの制御を行う競技を行うことも出来るでしょう。この場所をUNISECの学生の手で開放し様々な可能性を広げていきたい、そして私自身で更なる学生が主動となるUNISECの形を作っていきたいと考えています。
また、一方でUNISECにおいてロケットのコンペディションは行われておりません。しかし、競技化では今までの素晴らしい関係が損なわれてしまうことも予想されます。そこで大型の学生ロケットを製作している大学を対象に、ロケット競技をコンペディション化するのではなく、一定基準に達した大学へはUNISECの支援の元、次のステップへ進む切符を手渡したいと考えています。たとえば今現在利用が検討されている内之浦射場からの高高度ロケットの発射・海外への大会への参加など、更なる学生ロケット打ち上げ活動の原動力としたいと考えています。

3.自己アピール

私は、学部一年生のころからロケットプロジェクトに参加し、私自身もJAXA能代多目的実験場のロケットエンジン燃焼共同実験の責任者として実験実施整備を行ってきました。能代宇宙イベントの運営にも参加し多くのことを学びました。本年度も継続で能代宇宙イベントには学生執行部の代表として運営に携わらせていただいています。その中でUNISECに加盟している皆さんと出会い、沢山の成長の機会と更なる出会いを頂きました。これらの経験を生かし学生代表として、UNISECの発展へ貢献したいと考えています。 よろしくお願いします。


kobayashi sayaka

堤 明正 さん

所属:東海大学大学院 工学研究科 航空宇宙学専攻
修士課程1年次

1.UNISEC学生理事に立候補した理由

私は「ロケットの研究に携わりたい」との漠然とした思いを抱きながら大学に入学しました。東海大学では超小型ハイブリッドロケット、特にハイブリッドロケットエンジン(モータ)の研究開発・製作に取り組み、本年度からは宇宙科学研究本部において外部研究生としてハイブリッドロケットエンジン(モータ…?)の研究に取り組みます。ロケットに対する興味がそれほどまでに向上したこと― それはひとえに東海大学での超小型ロケットを題材とした実践教育のたまものであり、その後ろや周りにはUNISECを始めとする支援の輪が存在します。次は私がその輪に加わり、学生の宇宙・ロケット・人工衛星などに対する興味を高めたい、本格的に「宇宙人」を目指す学生を増やしたい、その一助になりたい―そういった思いから学生理事を希望するに至りました。

2.学生理事になって実現したいこと

ここ数年間で、学生主体の超小型ロケットを題材とした活動がかなり活発化したと感じています。ロケット発射場を探すために奔走する必要は、ほぼなくなりました。「とりあえず早期に打ち上げ実験を行いたい」とのことであれば、気象条件が許せば通年において秋田県能代市で実施することができます。「ある程度の高度までのロケット打ち上げ実験を実施したい」とのことであれば、冬期に北海道大樹町で実施することができます。
こういった場所での超小型ロケット打ち上げ実験実施に必要な諸手続きを整理し、広く認知して頂くべく行動していきます。事務手続きを整理し簡素化することにより、さらに活発な活動を行うことができると考えています。また、UNISEC共用ランチャーの使用手続きを明確化し、より多くの大学・研究室が使用できるように体制を整えます。
学生ロケットへのカンサット搭載や計測機器の共同制作など、電子機器・人工衛星・カンサットを得意とする研究室とロケット各部の製作を得意とする研究室の交流を増進します。物を輸送する、計器を搭載し観測する、といった「実プロジェクト」により近いプロジェクトを提案していきます。
より実践的かつ高度なロケット打ち上げ実験を行うことができるよう、内之浦宇宙空間観測所での学生ロケット打ち上げ実験を模索していきます。これまでに行われた学生からの意見吸い上げや、JAXAとの話し合い結果を見返し、新たに行動を開始します。
学生と一般UNISEC会員およびUNISEC-OB・OG(UNISAS)とが積極的に交流・意見交換できるような機会を設けていきます。UNISEC総会およびUNISECワークショップを利用した交流増進はもちろんのこと、別途に意見交換の場を設定していきたいと考えています。

3.自己アピール

基本的に頭の中は「現行のロケットエンジン(モータ…)をよりよくするには」でいっぱいです。自分の興味が向く分野はロケット推進器(!)ですが、よりよい推進器を実現できれば、よりよいロケット打ち上げ計画が練られ、よりよい宇宙開発計画が練られる、よりよい衛星打ち上げが可能になる、その衛星が日々の生活をよりよくしてくれる、宇宙の起源を明らかにしてくれる、と信じています。自分の活躍できる場で自分が最大限頑張れば、いつの日かそれが他の舞台にいる他の人の頑張りと連成し、現状はimproveされていくはずです。だから皆さん頑張って下さい、私も頑張ります。