理事長挨拶(2003)


八坂 哲雄 (Tetsuo YASAKA)

大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)がいよいよNPOとして出発しました。
会員の皆様、ならびに支援していただく多くの方の力で、宇宙を若者たちの活躍の場にしてゆきたいと思います。

私たちは、大学・高専学生による手作り衛星やロケットなどの実践的な宇宙工学活動を支援することを目的としています。
学生の諸君は「自分が作ったものが宇宙に飛び出すのだ」と感じることに大変大きな喜びを感じています。
これは健康な喜びであります。
また、この喜びに向けて、一生懸命の努力をしています。
その努力は自ら望んでするものであり、それゆえに崇高です。
そうです。これは、現代の社会では化石となってしまったといわれる貴重な営みです。

私たちは、学生によるこのような実践活動を通して次の3つのミッションを達成することを願っています。
これらのミッションは必然的に大学の枠を飛び越え、社会全体に健全な刺激と活動をもたらすことに繋がると信じています。

UNISECの三つのミッション

UNISECの前身は日本航空宇宙学会の内部組織として発足した人工衛星とロケットの研究を支援するグループでした。
2003年2月にはこの2つを合体し、かつ独立した法人組織であるNPOとして再出発しました。
NPOは社会的な責任を負います。
そして、その活動は社会のすべての人に開かれたものとなります。
従来の活動では大学での研究活動を刺激し、支援をしてきました。
今後もこれは続けます。
くわえて、さらに広い場での活動を繰り広げます。
今年の6月にはUNISECメンバーである東大と東工大が超小型人工衛星を打ち上げました。
打ち上げには国際的な折衝を行い、無線周波数の割り当てはアマチュア無線コミュニティとの協調もあって実現しました。

いくつかの大学では研究成果を企業化によって社会に貢献する方向にあります。
また、大学が地域の企業と協調する方向も見えてきています。
このようなUNISEC活動の拡大は、今秋の宇宙機関の統合にあたっても、ある程度の影響を与えるであろうと思います。
さらに、社会全般、特に地域と強く結びついた動きは従来の宇宙開発とは一味違った広がりを持つものとなることは明らかです。

私たちは、これからの活動が広く社会に受け入れられ、かつ、国や社会から強い支援をいただけるような方向に向かうことを念願しています。